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香川はライバル やっと呼ばれた天才MF柿谷

[ 2013年7月16日 06:00 ]

ボールに飛び込み笑顔で倒れ込む柿谷

 天才と呼ばれ続けてきた男が、ついにA代表の日の丸を背負う。リーグ戦は今季10得点。十分の実績を残してきたが、柿谷は吉報を聞くと、まず両親やユース時代の恩師らに連絡。素直に選出を喜んだ。だが、その後の会見では既にサバイバルに向けて気持ちを切り替えた。

 「全てのメンバーが集まった時に自分の名前を残せるように。代表のスタッフの皆さんに“また呼びたいな”と思ってもらえるように、しっかりやりたい」と、ザックジャパン定着に向けて並々ならぬ意欲を見せた。これがゴールではないことは百も承知だ。初選出が10人を数えたように、東アジア杯のメンバーは若手を中心とした国内組のみ。W杯のメンバーに入るためには、今回は不在の海外組との競争を勝ち抜かなければならない。かつてC大阪でともにプレーした香川、乾、清武といった盟友からは「一緒にやりたい」とエールを受けていたが、柿谷は「(香川らと)一緒にプレーというより、ポジションも似てる選手が多いし、ライバル」と対抗心を強く示した。

 「今の代表は土台ができているし、同じようなプレーをしても意味がない。個性を出したい」と卓越した技術と決定力で勝負するつもり。ザッケローニ監督は「彼はとても成長している。(13日の広島戦は)センターのポジションでDFを背にしてプレーすることで私に重要なシグナルを送っていた」と1トップかトップ下での働きに期待を寄せたが、23歳は「どこでも頑張ります」と言い切った。

 「優勝して帰ってきたい」。8月14日の親善試合ウルグアイ戦は海外組も合流。そこで再び招集されるためにも、柿谷が東アジア杯の主役になる。

 ◆柿谷 曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年(平2)1月3日、大阪府生まれの23歳。4歳からC大阪の下部組織で育ち、16歳でプロ契約。09年6月から徳島へ期限付き移籍し、昨年からC大阪に復帰。今年からエース背番8を付ける。U―15から各年代の日本代表に選ばれ、07年にU―17W杯に出場。1メートル77、68キロ。利き足は右。血液型B。

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2013年7月16日のニュース