“ポスト澤”名乗り　ＤＦ熊谷ボランチ先発濃厚

イングランド戦先発に向けて、長船（左）とランニングする熊谷

親善試合 イングランド―日本

（6月26日）
　なでしこジャパンは２６日、英国中部のバートンアポントレントでイングランド女子代表と親善試合を行う。２５日の前日練習ではＤＦ熊谷紗希（２２＝フランクフルト）が実戦練習でボランチに入り、先発する見通し。ポスト澤に名乗りを上げた。

　実戦形式の練習で試行錯誤を繰り返してきた佐々木監督がイングランド戦前日の最終調整で熊谷をボランチに選んだ。阪口とコンビを組ませた指揮官は「守備をベースに広く展開を使える」と攻守で期待を寄せた。澤離脱で頭を悩ませてきたポジションで新たな可能性を試す。

　センターバックとしてＷ杯優勝や五輪銀メダルを支えてきた熊谷が「代表では初めて」と明かしたボランチだが、小学生から、なでしこリーグの浦和時代１年目までは本職だった。所属のフランクフルトでも経験。「小さいころからボランチをやっていて、できることならやりたいという気持ちはあった」と力を込めた。

　ドイツで磨いた対人プレーの強さに加え、精度が高いロングパスなど攻撃での貢献度も見逃せない。「中盤でボールを奪えたらチャンスになるということを常に意識したい」。現地で報じられるリヨン移籍には「候補の一つ。サインしないと契約ではないので」と話すにとどめたが、昨季まで女子欧州ＣＬを連覇した強豪からラブコールを送られる才能の持ち主。１１年Ｗ杯で敗れたイングランド相手に万能ぶりを発揮すれば勝機が広がる。