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本田、W杯へ激白!“大口”封印し誓った「死ぬ気」の挑戦

[ 2013年6月24日 06:00 ]

<日本・メキシコ>メキシコに敗れ悔しそうな表情を見せる本田

コンフェデ杯1次リーグA組 日本1―2メキシコ

(6月22日 ベロオリゾンテ)
 世界の壁は厚かった。日本代表は1次リーグ最終戦のメキシコ戦に臨み1―2で敗戦。3戦全敗(4得点9失点)と散々な結果で大会を終えた。全試合に先発しながらPKによる1得点に終わったMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)は世界との差を痛感。代名詞でもあるビッグマウスは影を潜め1年後の本大会に向けた課題などを激白した。
【試合結果 1次リーグA組順位表 コンフェデ杯動画】

 3戦全敗を告げる笛が響くと、本田は左手を腰に当てて視線を落とし、悔しさをかみしめるように5秒ほど静止した。日本のエースは現実を受け止め、世界との真剣勝負で感じた思いを吐き出した。

 「チームとして挑戦をして実際に前半は惜しいシーンもあった。コンパクトにやっている時間帯は本当に良いサッカーができるけど、お互いに間延びしてスペースができた時に、ずっと言っている個の差が出る。組織では戦えることを十分に証明したけど、試合を決定付けるプレーが少ない。相手の戻りが遅くなった時に、3、4人では攻めきれないのが現状」

 今大会は3試合で9失点。世界の頂点を目指す上では、お話にならない数字だ。メキシコ戦では相手のPK失敗、ポスト直撃のシュートもあり、ブラジル、イタリア戦と同様に大量失点を食らってもおかしくなかった。

 「今回はDFの個もクローズアップするべきやと思う。相手は詰まった時に蹴るけどそれが収まってしまう。完全にはめているつもりで蹴らせているのに、キープされる。逆にうちが苦し紛れのボールを入れた時はつぶされる。そこは逆にキープしないといけない。小さい体でも良い守備をやっている国はあるわけで僕らも練習でそういう能力を身につければ補える部分だと思う」

 自身は全試合に先発したが、得点はイタリア戦で決めた先制PKだけ。終盤は足が止まる時間帯も目立ち、1年後への課題は明確になった。

 「個人的な課題はシンプル。僕のやる練習は見えているつもり。どの試合でも必ず間延びする時間帯があったけど、その時に自分の役割を果たせなかった。でも果たせてる時間帯もある。良い状況でボールを持てばやれるシチュエーションもあった。それを90分間やれる選手が超一流。8割、9割できれば合格点やと思うけど今は5、6割。後半はへばっていたし、へばっていると、このレベルではやれないと再確認した。自分が取り組むことに対して死ぬ気で取り組む必要がある。自分だけの力ではなくて周りでサポートしてくれる人の力も必要。チーム本田での総力戦になる」

 イタリア戦やメキシコ戦の立ち上がりなど、チームとして良さを出せた部分もあったが、結果は全敗。大会前は「優勝」を公言していたが、世界との差を痛感する大会となった。

 「日本は成長してるけど、他の国も成長しているから勝てない。その競争に勝たないと。何となく成長しているだけなら、また同じ結果になる。自信の差=格。この緊張感の中で試合を繰り返して格は上がるもの。一人で練習を一生懸命してても格は上がらない。百戦錬磨のイタリアがばてていても勝ってしまうのは、負けられないというプライドが力になっているから。日本がアジアで試合をする時は逆に格がアドバンテージになる。僕らは練習でやったことを100%やろうとするけど、結局、勝ち方は分からない。イタリアには何回もスクデットや、欧州CLを獲った選手がいる。その差は歴然。オーラの差があり、ビビっているつもりはなくても、どうしてもビビってしまう。ブラジル、イタリア、メキシコという国の、さらに上にいるかもしれないスペインとやれなかったことは非常に残念」

 普段は勝敗に関係なく大口を叩くが、この日は冷静に大会を総括した。目標に掲げるW杯制覇への道が簡単ではないことは、誰よりも理解している。

 「1年しかないと考えてもキリがない。1年もあると思ってやらないと」

 W杯開幕まで354日。本田の死ぬ気の挑戦が幕を開ける。

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2013年6月24日のニュース