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W杯など「無駄遣い」に反発 デモ拡大計約20万人参加

[ 2013年6月18日 15:57 ]

 サッカー日本代表も参加しているコンフェデレーションズカップ開催中のブラジルで17日、コンフェデ杯や来年のワールドカップ(W杯)開催に伴う国費の無駄遣い是正などを求めるデモが行われた。ロイター通信などによると、首都ブラジリアなど10都市以上で市民計約20万人が参加、過去20年間で最大規模のデモとなった。

 月末まで続くコンフェデ杯の大会運営を危ぶむ声も強まっており、W杯や2016年のリオデジャネイロ五輪を控えるルセフ政権は、治安対策強化が急務。市民の不満の根源は食料品価格の高騰で、インフレへの早急な対策も迫られている。

 デモは17日深夜にはほぼ収束したが、地元メディアによると、ブラジリアや第2の都市リオデジャネイロでは、暴徒化した少数の参加者が18日未明まで議会に立てこもるなど抗議を続けた。

 元左派活動家のルセフ大統領は17日「平和的な抗議活動は正当で民主主義の一部。若者には当然の行動だ」との声明を発表し、理解を示して沈静化を図った。最大都市サンパウロでは、デモ隊幹部と当局が対話を開始。国際サッカー連盟(FIFA)は「地元政府を信頼している」としており、静観の構えだ。

 今回のデモは、サンパウロで今月初め、公共交通機関の運賃が値上げされたことをきっかけに各地に波及。15日開幕のコンフェデ杯やW杯に政府が投じている巨額資金を、教育や貧困対策に回すよう求めるデモも起きて一体化した。

 ブラジリアでは17日夜、デモ隊数百人が国会の屋根に上ったほか、リオではデモ隊が市内中心部で車両に放火し、規制線を破って州議会庁舎に乱入。催涙弾を発射した警官隊に投石で応戦するなど小競り合いが続いた。(共同)

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2013年6月18日のニュース