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本田 レベル差痛感「誰一人ブラジル代表に入れない」

[ 2013年6月17日 06:00 ]

<ブラジル・日本>後半3分、2点目を奪われ怒りの表情を見せる本田

コンフェデ杯1次リーグA組 日本0―3ブラジル

(6月15日 ブラジリア)
 夢も希望もない。世界の注目を集めたプレW杯開幕戦で、日本がホスト国を引き立たせる、かませ犬に成り下がった。

 雨の降るピッチに終了の笛が響くと、長友が天を仰ぎ、ベンチで終戦を迎えた本田は微動だにせず敗戦の瞬間を目に焼き付けた。絶望的な惨敗劇。長友は「全てにおいてレベルが違いすぎる。悔しい気持ちを通り越した。中学生とプロぐらいのレベル差。W杯優勝と言ってきたけど、腹を抱えて笑われる」とショックを隠せない。本田も「残念、非常に残念です。自分たちの実力をしっかり受け止めるしかない」と視線を宙にさまよわせた。

 歯が立たなかった。開始2分54秒にネイマールにボレー弾を決められ失点。仕切り直したはずの後半立ち上がりに追加点を許すと、終了間際にもゴールを割られた。ボール支配率は37%―63%。シュート10本を放ったが決定機は後半4分の岡崎の左足シュートなどわずかで、CKを1本も取れないほど押し込まれた。長友はフッキとのマッチアップで後手を踏み、本田もらしくないミスを連発。後半は完全なガス欠で存在感はなかった。

 試合後の控室。絶望感に支配される中、本田が長友に声を掛けた。「個のレベルが違いすぎる。今の日本の選手は誰一人としてブラジル代表に入れない」。0―4で敗れた昨年10月の対戦後には「負けたけど何かうれしい。簡単に勝ったら楽しくない」と語ったが、今回は義務付けられたテレビインタビュー以外は無言。取材に応じないことは多いが、いつも以上に重い沈黙に感じられた。

 中3日でイタリア戦、さらに中2日でメキシコ戦と続くだけに、開き直るしかない。長友は「この結果で言うのも恥ずかしいけど、僕はトップを目指したい。自分の人生なので笑われても、全然問題ない」とW杯優勝の目標を修正しないことを断言した。本大会1年前に突きつけられた、あまりにも重い現実。皮肉にもスタンドには「SAMURAI BLUE」ではなく「KABUKI BOYS」の横断幕が揺れていた。

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2013年6月17日のニュース