×

香川 切れ味見せるも遠いゴール「決めるところで決めないと」

[ 2013年5月31日 06:00 ]

<日本・ブルガリア>積極的にシュートを放つ香川

キリン・チャレンジカップ2013 日本0―2ブルガリア

(5月30日 豊田ス)
 敗戦を告げる笛が響くと、香川真司は腰に手を当てて天を仰いだ。悔しさをかみ締める自分の時間を持てたのはわずか数秒だけ。すぐにユニホーム交換をせがむブルガリア選手に囲まれたのは、ビッグクラブに所属する宿命だった。

 左FW(前半)、トップ下 (後半開始~24分)、左MF(後半24分~終了)と3つの位置でプレーし両チーム最多3本のシュートを放ったが、無得点。自身初の国際Aマッチ2戦連続弾を逃し「力不足。決めるところで決めないと勝てない。0点に終わったことが悔しい」と肩を落とした。

 見せ場はつくった。前半31分、乾のパスを受けると相手を背負いながら巧みにボールをコントロールして回転。マークを振り切り右足でシュートを放った。後半10分にはヒールキックで清武にリターンパスを通して好機を演出。08年5月24日のコートジボワール戦でA代表デビューを飾った思い出の豊田スタジアムで切れ味鋭い動きを見せ「いい形をつくれた場面もあった」と収穫も口にした。

 チームとして5度目の採用となる3―4―3だが、香川にとっては11年10月7日のベトナム戦以来2度目。1年半前の試合では順応できず前半のみで交代したが、今回は違った。所属するマンチェスターUではトップ下、左右MF、ボランチと複数位置でプレー。激しい定位置争いの中、生き残りを模索したことで適応力は増していた。マンUの今季最終戦後には、退任するファーガソン監督から「来季はもっと良くなると確信している」と背中を押され「あの言葉を糧に頑張りたい」と自信を得たが、結果は残せなかった。

 期待されたこの日、不発に終わったとはいえ、下を向いている時間はない。中4日で5大会連続のW杯出場を懸けたオーストラリア戦が待つ。「ネガティブになりすぎても仕方ない。次は負ければ、取り返しのつかない試合。技術、シュートの精度、言葉にすると簡単だけど、そこが本当に大きいと思うので修正したい」。消化不良に終わった親善試合の反省を生かし、次は自らのゴールで日本列島に歓喜をもたらす。

続きを表示

この記事のフォト

2013年5月31日のニュース