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ザック監督 切り札3―4―3は前半のみ、サイドの崩し見られず

[ 2013年5月31日 06:00 ]

キリン・チャレンジカップ2013 日本0―2ブルガリア

(5月30日 豊田ス)
 ザッケローニ監督が仮想オーストラリア戦で抜いた“伝家の宝刀”は切れ味を欠いた。前半に「3―4―3」システムをテスト。日本人特有の俊敏性を生かし、速い攻撃から相手守備が密集しないサイドで数的優位をつくることを目指したが、キーマンの長友抜きではサイド攻撃からの崩しもほとんど見られなかった。指揮官は「もっとボールを速く回して相手のマークを外す動きを出さないといけない」と攻撃面で機能しなかったことを認めた。

 それでも失点はセットプレーのみで、守備ではある程度の成果はあった。3バックは現在、母国イタリアでも主流。指揮官は常々「DFが5枚になるのは好きでない」と明言しているが、この日はそれがほとんど見られなかった。3バックの右を務めた吉田が相手左MFにプレスをかけてボールを奪うなど、守備が機能した場面も見られた。

 指揮官は今後、「4―2―3―1」と併用する考えだが、オーストラリア戦の切り札「3―4―3」は未完成のまま。「負けてチームの雰囲気が最高ではありえないが、チームはやるときはやる」と強気な姿勢は崩さなかった。

 ▽ザックジャパンの3―4―3 同システムを採用したのは今回が5試合目。過去はいずれも11年シーズンで、6月のキリン杯ペルー戦(前半のみ)チェコ戦(前後半90分)10月の親善試合ベトナム戦(前半のみ)11月のW杯3次予選・北朝鮮戦(後半17分から終了まで)の4試合。今回の前半45分を加えて、通算254分間でゴールはベトナム戦の1点だけ。攻撃面で機能しているとはとても言えない。ただし、失点も今回の直接FKによる1失点のみで守備的には崩されてはいない。

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2013年5月31日のニュース