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ザック切り札長友システム 豪州戦へ3―4―3テスト

[ 2013年5月30日 06:00 ]

ボール回しでヒールパスを出す長友佑都

キリンチャレンジ 日本―ブルガリア

(5月30日 豊田ス)
 日本代表は30日、ブルガリア代表と国際親善試合を行う。アルベルト・ザッケローニ監督(60)は5大会連続でのW杯出場が懸かるアジア最終予選オーストラリア戦(6月4日、埼玉)の切り札として「3―4―3」システムのテストを明言。キーマンのDF長友佑都(インテル・ミラノ=26)も先発復帰が確実で仮想オーストラリア戦で「長友システム」の熟成に着手する。

 大一番に向けた切り札は、自らを名将へと押し上げたシステムだった。ザッケローニ監督は28日の練習で、昨年10月以来、約8カ月ぶりに「3―4―3」を指導。前日会見でも「スタートから採用するかは、まだこれから決める」としながらも「3―4―3をどれくらいの時間で使えるか見てみたい」と、仮想オーストラリア戦で伝家の宝刀を抜くことを明言した。

 3―4―3はACミランをリーグ優勝に導くなどザッケローニ監督が最も好むシステムで、日本代表でもこれまでに何度も指導。その特性についても「日本にはサイドに素晴らしい選手がそろっているし、3人のアタッカーがほとんど攻撃に専念できる。習得できれば局面で大きなアドバンテージを得られる」と熱弁を振るってきた。

 最大の狙いは、日本人特有の俊敏性を、相手守備が密集しないサイドで最大限に生かすことにある。指揮官はそれが高さとフィジカルの強さを持つ一方、俊敏性に欠けるオーストラリア相手には大きな武器になると踏んでいる。この日の会見でも「オーストラリア戦でも、きっと有効に使えるはずだ」と断言した。

 このシステムのキーマンとなるのが長友だ。所属のインテル・ミラノでも3バックは既に習得済み。無尽蔵のスタミナとスピードを併せ持つ特性を最大限に生かす効果を期待している。まさに「長友システム」。全体練習後に指揮官から呼ばれて、イタリア語で指示された長友は「監督とは将来的なビジョンについて話しました。世界で戦う上でどうすべきか話し合った」と話した。

 11年1月のアジア杯決勝オーストラリア戦。4バックながら、相手陣に近い中盤の位置でプレーした長友は、延長後半の終了間際に左サイドを駆け抜け、李の決勝弾をアシストした。当然、オーストラリアも、6月4日の決戦で長友が3―4―3の中盤の左サイドに位置すれば、2年前の悪夢を思い浮かべることになる。ザックが満を持して投入する新システムは、ライバルに心理的なダメージを与えることは間違いない。

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2013年5月30日のニュース