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MVPカズ 50歳現役へ「情熱は今も失っていない」

[ 2013年5月18日 06:00 ]

J20周年のNVPに輝き、笑顔を見せる三浦(右)左は川淵キャプテン

Jリーグ20周年パーティー

  色鮮やかなスポットライトを、カズは気持ち良さそうに浴びた。サポーター投票で決定する「Jクロニクル(歴代)ベストイレブン」で5852票の最多得票を集めた。壇上で日本協会最高顧問の川淵キャプテンから記念の盾を受け取る。93年、Jリーグ初代MVPに輝き、風船の中から真っ赤なタキシード姿で登場した、あの表彰式をほうふつさせた。

 「きょうも(赤いタキシードを)着て来ようかと思ったんですけどね。積み重ねてきたものが評価された。20年、ピッチに立ち続けて来たことへのご褒美かな。サポーター投票というのは選手としてうれしい」。カズらしく軽妙なトークも交え笑いを誘った。

 46歳になった。それでもピッチに懸ける情熱は衰えを知らない。司会者から今後の人生設計について質問が飛んだときだ。「情熱を持ってピッチに立てる間は戦っていきたい。川淵さんから耳元で“50歳までやれ”と言われたので、そこまでは戦っていこうと思う」。りさ子夫人、歴代チェアマンらの前で50歳まで現役を宣言。場内はこの日一番の喝采に包まれた。

 カズは93年から毎年、Jリーグに出場している唯一の選手だ。20年を振り返り「底辺が広がり組織だった運営は世界でもトップレベル。でも世界トップと言われる国では、100年以上のリーグの歴史を持ちながら努力もする。日本はそれ以上に努力しないとトップには立てない」と言った。その姿勢は不屈のカズ魂そのものだ。

 パーティーではジーコ氏とも再会し、熱き抱擁を交わした。その瞬間、20年の歩みがよみがえり、その重みをかみしめた。「20年前の情熱は今も失っていない。一日一日を大切にベストを尽くす。それに尽きる」と言った。カズはきょうもピッチに立ち、そして先頭を走る。

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2013年5月18日のニュース