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神様からキングへ ジーコ氏「全てカズから始まった」

[ 2013年5月18日 06:00 ]

Jリーグ20周年記念パーティーで笑顔の(左から)ジーコ氏、三浦、ストイコビッチ監督

Jリーグ20周年パーティー

 Jリーグは17日、都内のホテルで20周年記念パーティーを開催した。リーグ創設期に鹿島に所属して、02~06年には日本代表監督も務めたジーコ氏(60)も特別ゲストとして出席。リーグ開幕戦を知る唯一の現役選手であるFW三浦知良(46=J2横浜FC)から50歳まで現役宣言が飛び出すと、その功績を称えるとともに“第二のキング”出現のための育成システムの確立の重要性を強調した。

 神様からキングへ、最大級の賛辞が贈られた。ジーコ氏は16日夜に来日してパーティーに出席。Jリーグ開幕からの20年の歴史を振り返り「日本サッカーの進化は全てカズから始まった。その一言に尽きる。ブラジルに渡り、サッカーにおける日本人の価値を高めたのは彼。情熱を維持して現役を続けているのは素晴らしい」と絶賛した。

 実は2人の出会いはJリーグ開幕の5年前にまでさかのぼる。88年のブラジル選手権。フラメンゴに所属していたジーコ氏はアウェー・コリチーバ戦で鋭いまたぎフェイントを繰り出す日本人のプレーを見て「日本サッカーも将来、進歩しそうだな」と感じたという。その日本人こそカズだった。日本サッカーに可能性を感じたジーコ氏は、その3年後に来日して鹿島の前身である住友金属に所属。Jリーグ開幕戦の名古屋戦でハットトリックを達成するなどリーグ創設期を盛り上げた。

 ジーコ氏は20周年を喜ぶ一方で、Jリーグへの提言も忘れなかった。日本は3大会連続でU―20W杯出場を逃すなど若手育成に課題を抱え、香川、本田ら有望選手の欧州流出もあり、観客動員も伸び悩んでいる。停滞ムードを脱却するためには“第二のカズ”を生み出す育成システムの確立が不可欠。「今は非常に正しい道を歩んでいるが、育成の部分は考えないといけない。強国は次から次へと若手が出てくる。それに並ぶシステムづくりが必要」と力説した。

 また、6月のコンフェデ杯、来年のW杯でザックジャパンをバックアップすることも約束。「私は皆さんとの共同作業で日本サッカーを発展させてきた自負がある。日本は自分の家。コンフェデ杯、W杯でも自分は日本人だと言いたい」と力を込めた。自身は06年W杯ドイツ大会で日本を率いて1次リーグ敗退。日本のW杯での上位進出を心から願っており、今後も日本サッカー発展に力を貸す気概を示した。

 ☆ジーコ氏の鹿島時代の成績 92年のナビスコ杯で10試合出場6得点。リーグ開幕元年の93年は16試合出場9得点。94年は1stステージで現役を引退し、7試合出場で5得点を記録した

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2013年5月18日のニュース