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アジアで存在感!柏“大和魂”2発快勝でACL8強へ前進

[ 2013年5月16日 06:00 ]

<全北・柏>前半3分、ヘディングで先制点を決める柏・工藤(右)

 ACL決勝トーナメント1回戦第1戦が15日に各地で行われ、柏は敵地で全北(韓国)を2―0で破って初の8強入りに大きく前進した。開始3分でFW工藤壮人(23)が先制点を挙げ、後半29分にはDF増嶋竜也(28)が左CKから追加点。守ってはGK菅野孝憲(29)が好セーブを連発して無失点でしのいだ。第2戦はホームの柏で22日に行われる。

【試合結果 決勝T日程】

 Jリーグのプライドを懸けた戦いで工藤が勝利への口火を切った。昨季J1王者の広島を筆頭に浦和、仙台がことごとく1次リーグで敗れ、日本勢では柏だけが残っていた16強の舞台。ここまで今季公式戦で10得点だったエースが開始3分で空中戦を制して左クロスに頭を合わせ、ゴール右上に先制点をねじ込んだ。

 「日本の勝負強さを見せられた。アジアだったり、世界にもっとJリーグを発信していきたい」

 Jリーグ20周年の記念日に迎えた大一番。ホームの環境整備が遅れるなど10チームだったリーグ創設メンバーから漏れ、2年後まで加盟を待った柏がJリーグの誇りを守るため敵地で奮闘した。

 ACLは工藤にとって夢への扉を開く舞台でもある。心には欧州挑戦の希望を秘めるが「ACLを自分が中心になって勝ち取るとか結果が必要。しっかり日本で認められてからでも遅くはない」と明かす。そんなエースがACL7戦4発で8強に王手。夢に近づいた。

 守ってはGK菅野が奮闘した。前半途中からペースを握られた敵地の一戦はシュート数で5―23と圧倒された。それでも公式戦2戦ぶりの復帰となった守護神がスーパーセーブを連発。後半14分に立て続けに決定機を防いだ場面は「コースを読むのではなく最後までボールを見て反応すれば止める自信はあった」と納得の表情で振り返った。

 脳振とうで途中交代を強いられた6日のJ1横浜戦の夜に「柏の父」と慕ってきた知人が急死した。「焼き鳥屋さんのお父さんで週に4回は通っていた。結果を残すことで恩返しになる。感謝の気持ちを込めた」と好プレー連発の夜を振り返った。厳しい敵地の一戦で攻守の柱が活躍して先勝。Jリーグ最後のとりでが厳しい敵地で輝きを放った。

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