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カズ「兄弟対決」制す!今季初先発で気迫の“流血プレー”

[ 2013年5月4日 06:00 ]

<東京V・横浜FC>前半、鼻を負傷した横浜FC・三浦知は、ばんそうこうを貼りながらプレーを続行

J2第12節 横浜FC3―1東京V

(5月3日 味スタ)
 カズが「兄弟対決」を制した。J2は3日、各地で行われ、横浜FCのFW三浦知良(46)は今季初先発でJ最年長出場記録(46歳66日)を更新。今季から実兄の三浦泰年監督(47)が率いる東京Vを相手に攻守に存在感を示し、3―1の勝利に貢献した。岡山は栃木に0―1で敗れ、開幕からの連続不敗は11で止まった。
【試合結果 順位表】

 鮮血で顔が赤く染まった。前半34分、昨年8月の京都戦以来257日ぶりに先発したカズは、相手MF鈴木に激しくタックルにいった。次の瞬間、左鼻を裂傷し大量出血。ジェノア時代の94年9月、セリエAデビューのACミラン戦でイタリア代表DFバレージと激突した、あの鼻骨骨折をほうふつさせる流血シーンに場内は騒然となった。

 鈴木へのタックルは危険な行為と見なされ警告を受けたが、不屈のカズ魂が凝縮されたプレーだった。「凄い血が出たね。でもあれはファウルじゃない。見に来てた都並(敏史=元日本代表DF)さんも“いいディフェンスだ”って言ってくれた。ああいう(激しい)プレーでチームは引き締まるんだよね。主導権は握れたと思う」。言葉通り気迫はチームに乗り移り、後半18分にベンチに退いたが、チームはその後2点を奪って開幕戦以来9戦負けなしだった東京Vの勢いを止めた。

 兄弟対決として注目を集めた一戦。敵将で実兄の三浦監督とは試合前も一切会話せず勝負に徹した。攻撃ではトップ下でためをつくり、前半25分には相手DF2人をニアサイドに引きつけ、ファーサイドに走った大久保のゴールにつなげた。守備では相手FW高原を徹底マークした。「ボールが入れば経験と技術を生かせるからね。(守備で)相手のエースに付くってのも気持ちいいね」。一方の三浦監督は「カズの醸し出す雰囲気が、われわれにゲームを難しくさせていた」と弟の放つオーラに脱帽していた。

 これで今季、出場した試合は3戦3勝。「前の2戦は(出場時間が)2分と5分。きょうは充実感もある。ずっと先発でやれるという気持ちでやっていたし素直にうれしいね」。試合後、応援に駆け付けたりさ子夫人ら家族と記念撮影で勝利の味をかみしめ、さっそうと会場を後にした。

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