×

「必要としているのは香川だけ」 応援歌が信頼を証明

[ 2013年4月24日 06:00 ]

アストンビラ戦に快勝、リーグ優勝を喜ぶ香川(左から5人目)らマンチェスターUイレブン

マンチェスターU プレミアL20度目優勝 マンチェスターU3―0アストンビラ

(4月22日)
 香川真司のプレミアリーグ・デビューからマンチェスターUでの一年を見守ったデーリー・ミラー紙のデビッド・マクドネル記者(41)がスポニチ本紙に特別寄稿。W杯と欧州選手権を各4大会取材し、マンチェスターU取材歴10年の番記者が、日本代表MFの挑戦を振り返った。
【香川真司 プレミアリーグ プレミア動画】

 多くの新外国人選手がそうであるようにシーズン開幕直後の香川も展開の速いプレミアリーグへの順応に苦戦し、大きなインパクトを残せなかった。追い打ちをかけるように昨年10月に左膝を負傷。チームが白星を重ねる中、焦る気持ちがなかったというなら、それはうそだと言わざるを得ない。

 それだけに、復帰後のパフォーマンスには感心した。新加入選手が長期離脱を強いられると大きな障壁になるが、日本代表MFは屈しなかった。試合を重ねるごとに周囲との連係は改善。リーグ戦のパス成功率でベテランMFポール・スコールズに次ぐチーム2位の90・5%(前節17日のウェストハム戦まで)を記録するなど持ち味を徐々に発揮していった。

 3月2日のノーリッジ戦でハットトリックを達成すると今月17日のウェストハム戦でも2ゴールに絡む活躍。シーズン後半戦に入り、ついにその真価を目の当たりにすることができた。鋭いスルーパスに加え、積極的に前線に駆け上がるフリーランニング。ハードワークとキープ力で前線と中盤をスムーズにつなげ、スピードとしたたかさを備えて自ら得点もする。香川が躍動したおかげで、チームは終盤に入っても息切れせずに優勝へとまい進できた。

 ファンからの信頼も勝ち得た。伝説のロックグループ、クイーンの名曲「レディオ・ガ・ガ」の歌詞に合わせ「オール・ウィ・ニード・イズ・シンジ・カガワ(必要としているのは香川だけ)」と歌うチャント(応援歌)は、サポーターの間でおなじみ。イングランド代表MFのマイケル・キャリックでさえ自分のチャントを得るのに7年を要した。

 ファーガソン監督は「来季の香川はもっと良くなる。わたしはそう信じて疑わない」と今後の活躍に太鼓判を押す。御年71歳の策士がそう言うのだから大丈夫だろう。来季は今季以上の活躍が期待できる。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月24日のニュース