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理想捨てた…ゴトビ監督 方針転換「勝利だけを考えたい」

[ 2013年3月28日 17:09 ]

ゴトビ監督(中央)は身ぶり手ぶりで選手を指導

 清水のアフシン・ゴトビ監督(49)が「若手育成」と「勝利」の両立に見切りをつけ、勝ち点の積み上げに集中する方針を示した。23日のナビスコ杯・磐田戦(ヤマハ)に1―5で大敗。30日のリーグ戦第4節・広島戦(アイスタ)は若手の起用を最小限にとどめ、今季初勝利を目指す。

 長期的なビジョンを考えている余裕はない。今季公式戦5試合で未勝利。ゴトビ監督も危機感を抱いている。23日のダービー大敗後は厳しいヤジを受け、翌日以降の練習でもサポーターから敗因の説明を求められた。出口の見えない状況に「磐田戦の敗戦は若手を起用した私の責任。人々が何を求めているのか分かった。次は試合に勝つことだけを考えたい」。若手育成の方針を捨て、目先の勝利にこだわることを決断した。

 この日の練習でも、“脱若手”の姿勢が表れていた。ゲーム形式の主力組は、フィールドプレーヤーの平均年齢25・4歳。磐田戦のスタメンより2・4歳も上がった。同戦でフル出場したMF石毛秀樹(18)やMFイ・ミンス(21)は控えチームでプレー。さらに、磐田戦に先発したDF犬飼智也(19)、MF内田健太(23)は控え組にさえ入らなかった。ゴトビ監督は「J1で今年初めてプレーする選手や、本当の意味でプロ1年目の選手は重圧の中で戦うのは難しい」と指摘。勝ち点3を義務とする30日の広島戦は、経験のある選手を優先的に起用する考えだ。

 ゴトビ監督はダービーの敗戦を自身の責任と認め、「次はいつ、若い選手にチャンスを与えるかは聞かないでほしい」と語った。“脱若手”への急速な方針転換は、ミスした若手への責任転嫁にも見える。将来性豊かな選手が失敗を恐れて萎縮する前に、今季初白星をつかみたい。

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2013年3月28日のニュース