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柏 日本勢3年ぶり開幕連勝!狩野V弾、レアンドロ2発

[ 2013年3月14日 06:00 ]

<柏・セントラルコースト>後半、柏・狩野(左)はゴールを決め喜ぶ

ACL1次リーグH組 柏3-1セントラルコースト

(3月13日 柏)
 1次リーグ第2戦が各地で行われ、H組の柏はホームの柏スタジアムでセントラルコースト(オーストラリア)を3―1で下し、2連勝で勝ち点を6とした。1―1で迎えた後半22分に、横浜から加入したMF狩野健太(26)が決勝弾。MFレアンドロ・ドミンゲス(29)も同点、ダメ押しの2点を挙げ、勝利に貢献した。敵地で北京国安(中国)と対戦したG組の広島は1―2で敗れ、2連敗となった。  
【試合結果 1次リーグH組】

 強い思いがゴールネットを揺らした。1―1の後半22分。右サイドのレアンドロ・ドミンゲスからクロスが上がると、ゴール前に進入した狩野が左足で流し込んだ。「うまく裏のスペースに抜け出せたら、良いボールが来た。自分は触るだけだった」。事もなげに話したがボールはクレオに当たって方向が変わっており、決してタイミングが完璧だったわけではない。執念の一発だった。

 試合後は昨年までの同僚・谷口と長い時間、抱擁を交わした。ともに今季に横浜から移籍。「2人で何とかチームの力になろうという話をしていた」。狩野は戦力外通告を受けての退団で期するものはあった。悔しさや寂しさ…。そして、拾ってもらった柏に対する感謝の思いは人一倍強かった。チームにとっても大事なアジアの舞台。勝ち越し弾で恩返しをした。

 ホームでも逆風のなかでの戦いだった。負傷中のジョルジ・ワグネルをはじめ、体調不良を訴えたDF陣の鈴木と金(キム)昌(チャン)洙(ス)ら主力5人が欠場。強風の影響で浮き球の落下点は読めず、後半からは雨も降り始めた。それでも冷静な試合運びで、先行される展開からの逆転勝ちに結びつけた。「前の試合(9日のFC東京戦)で何もできなかった。それなのに使ってもらえたので何とかしたいと思っていた。相手が大きいからと言って受け身にならないようにした」。苦しい台所事情を救った狩野は満面の笑みを浮かべた。

 ACLの日本勢では10年の鹿島以来3年ぶりの連勝発進。ネルシーニョ監督は「(1次リーグ)突破に近づけた試合になった」と話し、2得点のレアンドロ・ドミンゲスは「王者になれる力を持っているし、それをきょう確信できた」と力を込めた。長年チームをけん引してきた大黒柱と、新戦力の融合。昨季16強止まりだった「イエロー軍団」に、アジア制覇への「青信号」がともった。

 ◆狩野 健太(かのう・けんた)1986年(昭61)5月2日、静岡県生まれの26歳。静岡学園高から05年に横浜入りし、09年はともに自身最多となる28試合4得点と活躍。キックの精度の高さから「右の(中村)俊輔」との呼び声もあった。今季から柏に完全移籍。J1通算108試合9得点。利き足は右。血液型B。

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