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浦和 タイ王者を4発粉砕!関口が恩返しの移籍1号

[ 2013年3月13日 06:00 ]

<浦和・ムアントン>後半20分、チーム2点目となる移籍初ゴールを決め、森脇(手前)、槙野(奥)の祝福を受ける関口

ACL1次リーグ 浦和4-1ムアントン

(3月12日 埼玉)
 ACL1次リーグ第2戦が行われ、浦和はホームでムアントン(タイ)に4―1で快勝。今大会初勝利を挙げた。流れを決定付けたのは今季仙台から加入し、この試合で移籍後初先発したMF関口訓充(27)。1―0で迎えた後半20分、右足で鮮やかな移籍後初ゴールを決めて突き放した。浦和は1勝1敗で勝ち点3となった。
【試合結果 F組順位表】

 驚きと感謝の気持ちでいっぱいだった。1―0の後半20分。左サイドからカットインした関口は右足でゴール前へクロスを送った。弧を描いたボールはDFの頭を越えて誰にも触れることなくゴール右隅に吸い込まれた。「俺の角度からはゴール前が密集していて見えなかった。みんなが寄ってきたから“入ったの?”という感じ」。本人も少し拍子抜けした移籍後初得点だったが、それでも見えない力を感じずにはいられなかった。「(2年前に)震災(が起きた3月11日)の次の日に得点が取れたのは誰かが取らせてくれたのかな」

 11日で東日本大震災から丸2年。当時、仙台に所属していた関口は震災のことに触れられると言葉に詰まり「3・11は節目じゃない。常に心にとどめていてほしいんです」と語気を荒らげたこともある。身をもって震災を体験したから分かる、復興が進まない現状へのもどかしさ。そして周囲の人々への感謝。「俺はピッチでしか恩返しできない」。震災直後、仙台は地元を離れて関東で合宿を張った。その時、練習場を貸してくれた浦和、お菓子を届けてくれた浦和サポーターに貴重なゴールをささげた。

 「ここからが自分のスタート。自分の色を付け加えていきたい」。今季は始動2日目に足首痛で離脱。宮崎合宿は別メニュー調整を強いられ、ここまで公式戦は途中出場1試合にとどまっていた。そしてJリーグ名古屋戦から中2日で先発4人を入れ替えた中、やっと巡ってきた移籍後初先発のチャンス。何度もドリブルで勝負し、最後は足がけいれんするまで走り切った。ひたむきな姿に、ペトロヴィッチ監督も「2点目を早く取らなくてはいけなかったが、あの時間に取ってくれて、優勢に進めることができた」と称賛を惜しまなかった。

 08年9月24日の準々決勝アルカディシア(クウェート)戦以来の勝利でF組2位に浮上。浦和が07年以来の頂点へ向けて突き進んでいく。

 ▽関口 訓充(せきぐち・くにみつ)1985年(昭60)12月26日、東京都生まれの27歳。帝京高から04年に当時J2の仙台に加入。背番号が11となった08年から先発に定着し、10年のJ1復帰に貢献。今オフに浦和へ完全移籍。J1通算85試合5得点。J2通算190試合17得点。10年10月に日本代表に初招集されアルゼンチン戦で初出場。国際Aマッチ3試合無得点。1メートル70、64キロ。利き足は右。血液型O。

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