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香川 真価証明ハットだ!アジア出身選手初の快挙達成

[ 2013年3月4日 06:00 ]

ノーリッジ戦の前半終了間際、先制のゴールを決めてチームメートのルーニー(左)に祝福されるマンチェスターUの香川

 マンチェスターUの日本代表MF香川真司(23)が、2日にホームで行われたノーリッジ戦でハットトリックを成し遂げた。左MFで公式戦3戦ぶりに先発してフル出場。前半ロスタイムに154日ぶりの今季3得点目となる先制弾を決めると、後半31分、42分と立て続けにゴールを決めた。欧州の主要1部リーグの日本人選手では中村俊輔(セルティック、現横浜)、高原直泰(フランクフルト、現J2東京V)に続く3人目で、プレミアリーグではアジア出身初の快挙となった。

 「シアター・オブ・ドリーム」と呼ばれる本拠オールド・トラフォードが「シアター・オブ・カガワ」と化した。昨年7月にドルトムントから移籍した香川が新天地で遂に覚醒。J2だったC大阪時代の09年5月17日の水戸戦以来となるプロ2度目のハットトリックを、世界最高峰のプレミアリーグで達成した。「まさかこんな時にハットトリックが取れると思っていなかったですし、本当に良かったですね」。最高の笑顔がはじけた3ゴールには香川の高い技術が凝縮されていた。

 (1)日本仕込み まずは前半ロスタイム。ファンペルシーが右クロスをトラップで右前方に浮かせると、それに反応。右足アウトサイドで昨年9月29日のトットナム戦以来、154日ぶりとなる先制弾を蹴り込んだ。一瞬の隙を見逃さない、日本でも見られた香川の真骨頂だった。

 (2)プレミア仕込み 2点目は後半31分。スルーパスで右サイドを抜け出したルーニーと並走し、中央で受けた横パスをGKの逆を突いて右隅に流し込んだ。サイドからのクロスに点で合わせるプレミア流ゴール。試合前にはルーニーと意思の疎通を図っており「近い距離でプレーしようと話していました。どんな選手とでもコンビネーションをうまく構築しているし、本当に素晴らしい選手」とイングランド代表を称えた。

 (3)ブンデス仕込み 3点目は同42分。ルーニーがボールを持った瞬間、ギアを入れてペナルティーエリア内に進入。スルーパスを受けると飛び出したGKの頭上を抜いた。「いい形で自分の良さが生きた。ファーストタッチでグッと入って決めたというのは良い形」。自画自賛の3点目はドルトムント時代によく見せたブンデスリーガ仕込みの得点だった。

 昨年10月に左膝を負傷し、復帰までに約2カ月を要した。苦難を乗り越えてつかんだ歓喜。香川にとって忘れられない一日となったが、それでも飽くなき向上心を持つ香川に慢心はない。「相手は下位のチーム。もっと上のチームだったり、そういう厳しい戦いの中で存在意義を発揮していかないと認められない」と気を引き締めた。

 5日には欧州CL決勝トーナメント1回戦第2戦で8強入りを懸けて強豪Rマドリードと対戦する。26日には日本のW杯出場がかかるヨルダン戦が控えている。日本サッカー史に新たな1ページをしるした香川の快進撃はまだまだ続いていく。

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