高１から英才教育　ネルシーニョ監督期待の“和製ベイル”

ネルシーニョ監督の期待も大きい柏ＭＦ山中亮輔

Ｊ１注目の男　柏ＭＦ山中亮輔

　左サイドを切り裂く場面が増えそうだ。プロ契約から２年目を迎える柏のＭＦ山中亮輔（１９）にブレークの予感が漂う。昨季のリーグ戦出場は鹿島との最終戦１試合にとどまったが、今季は左サイドバック橋本が故障で出遅れる中、快足の持ち主に期待が高まっている。

　「活躍できれば認めてもらえる。チャンスを逃さないようにしたい」と山中。２月１７日にＪ２千葉と戦ったプレシーズンマッチで後半開始から左サイドバックで出場すると、スピードに乗った突破から存在感を示した。同２３日に昨季Ｊ１王者の広島に対した富士ゼロックススーパー杯でも後半３４分からピッチに立った。流れは変えられなかったが、山中が高１だった３年前からキャンプに呼ぶなど英才教育を施してきたネルシーニョ監督は「スピードとパワーがあり、優れたシュートも持っている。ゲームを読む感覚もあり、さらに伸びる選手だ」と期待を隠さない。

　目標は快足を武器に左サイドを制圧し、欧州の移籍市場をにぎわすトットナムのウェールズ代表ＭＦベイル。「凄く速いし、左足一本で結果を出している。１対１を制して相手の脅威になっている」。和製ベイルを目指すサイドアタッカーは昨季から５キロ近く体重を増やして当たり負けしない体づくりに励んだ一方で筋力トレも並行。筋肉質の肉体に「切れは悪くない」と手応えを口にする。

　キック力も定評があるが、千葉戦は最後のクロスが精度を欠いた。「トップチームは大きなＤＦも多く、守備の読みもユースと全然違う。速くて鋭いボールを意識してやっていかないと」。山中が持ち味を発揮する場面が増えれば、柏の得点力も向上するに違いない。

　◇山中　亮輔（やまなか・りょうすけ）１９９３年（平５）４月２０日、千葉県生まれの１９歳。柏ユースから昇格して１２年からプロ契約。昨季はリーグ戦１試合、天皇杯２試合に出場して無得点。１メートル７１、６５キロ。利き足は左。