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“二刀流”先輩のカズ、大谷にエール「15勝&30発を」

[ 2013年2月4日 06:00 ]

日本ハム・大谷にエールを送った横浜FCの三浦

 サッカー界のキングが、野球界の至宝へエールを送った。J2横浜FCのFW三浦知良(45)が3日、二刀流を目指す日本ハムの大谷翔平投手(18=花巻東)について言及。昨年フットサルW杯に出場し、サッカーとの二刀流を実現させた“先輩”として、その挑戦を称えるとともに投手として15勝、打者としてホームラン30発を期待した。

 黄金ルーキーの挑戦は、フットサルとサッカーの二刀流で日本中を沸かせたキングの胸をも躍らせていた。横浜FCの練習後、大谷について問われたカズは「専門外だから、軽はずみなことは言えない」と前置きした上で「今までの選手ができなかったこと。(投打)両方で一流になれるなら、見ている方も楽しめるし、見てみたいよね。15勝30発とかやったら凄いよね」と声を弾ませた。サッカー、フットサルの両方で日本代表ユニホームに袖を通したカズは、その喜びと苦しみを知っているからこそ、二刀流に挑む背番号11の“後輩”の背中を押した。

 カズ自身、大の野球好き。神戸に所属した01年、当時日南学園の投手だった寺原隼人(現ソフトバンク)が甲子園でMAX154キロを記録した際には観戦に行こうとしたほどだ。ヤンキースのイチローとも親交があり巨人ファン。球界に知り合いも多い。だからこそ、いかに難しい挑戦か心得ている。「投手だけでも大変でしょ。(元巨人投手の)江川さんも、才能があってもプロで勝つのは大変だと言っていた」。“昭和の怪物”の言葉を借り、それが高い壁であることを説明した。

 メンタル面での厳しさもある。昨年11月、J2リーグのシーズン中にフットサルW杯に出場したカズ。「僕の(二刀流)とは違うよ」としながらも「そんなに甘くないと言われるプレッシャーもあるだろうし、記録を残さないといけないプレッシャーもあるだろう」と話した。やるからには中途半端は許されない。結果を残さなければ、バッシングが待ち受けている。カズ自身も午前中に横浜FCで練習を行った後、午後からフットサル日本代表合宿に参加したこともあった。大勢の視線にさらされながら、双方で全力の姿勢を求められるつらさも知っている。

 それでもカズは乗り越えた。フットサル日本代表2試合目だった昨年10月27日の親善試合ウクライナ戦では、こぼれ球に詰めてゴールを決めた。11月のW杯では精神面でもチームを引っ張り、史上初の決勝トーナメント進出に導いた。そして「少しは貢献できたかな」と万感を込めて語った。大谷にも同じような達成感を味わってほしい。それが「15勝30発」という期待になっている。

 カズは4日から宮崎県日南市内で2次キャンプに突入する。“後輩”の動向に目を光らせながら、自身も3月3日のJ2開幕に照準を合わせていく。

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2013年2月4日のニュース