×

FC東京で2300万円“横領”経理担当部長が懲戒解雇…

[ 2013年2月1日 06:00 ]

経理担当部長の経費私的流用が発覚し、謝罪会見するFC東京の阿久根謙司社長(左)、大金直樹常務取締役

 J1のFC東京は31日、過去8年間にわたり会社経費約2300万円を私的に流用したとして経理担当部長(55)を解任、懲戒解雇したと発表した。昨年12月に過去に例のない多額の請求書の支払い処理が行われたことなどから発覚。部長は不正を認め、全額を弁済する。部活動や柔道女子日本代表での体罰や暴力に揺れるスポーツ界で、またも不祥事が起こった。

 解任、懲戒解雇された経理担当部長は、クラブ開設当初から経理部門の責任者を務めてきたが、05年から8年間にわたって会社経費約2300万円を私的に流用していたことが社内調査で判明。

 Jリーグ開幕を1カ月後に控えたこの日、緊急の謝罪会見を開いた阿久根社長は「多大な迷惑をおかけし、深くおわびします」と頭を下げた。

 不正流用は昨年12月、過去に例のない多額の請求書による支払い処理などから発覚した。主な手口としては、私的に利用した居酒屋、クラブなどの遊興費を業務上の交際費として不正に処理。また新幹線など“空乗車”もみられたという。

 過去8年間の膨大な領収書などを1枚ずつチェックし、さらに本人にも徹底して事実確認したところ、不正を認めたという。阿久根社長は「本人が全額を弁済し、懲戒解雇という社会的な制裁を受けていることをかんがみ刑事告訴はしない方針」とした。

 今後は最終決裁権限者を経理担当部長から上職位者の常務取締役とし、複数チェックを徹底するなど管理態勢を強化。また、全部門において長期にわたって同一業務を担当しないよう人事異動を行うことなどで、再発防止を徹底していく方針だ。

 クラブ社員による“横領”はJリーグ初の事態。報告を受けたJリーグではFC東京に対し厳重注意と再発防止に努めるよう強く要請した。高校部活動での体罰、女子柔道界での暴力、パワハラなど深刻な問題が続発しているスポーツ界で、またしてもファン、サポーターの信頼を裏切る事件が発覚した格好だ。

続きを表示

2013年2月1日のニュース