×

京都橘“痛トップ”強行出場へ 得点王争う小屋松&仙頭「やるしかない」

[ 2013年1月14日 06:00 ]

決勝に向けて調整する京都橘の小屋松(右)と仙頭

 全国高校サッカー選手権は14日に東京・国立競技場で決勝戦が行われ、初優勝を懸けて京都橘(京都)と鵬翔(宮崎)が対戦する。

 京都橘は、ここまで得点ランク単独トップのFW小屋松知哉(2年)が左ふくらはぎ痛、同2位タイのFW仙頭啓矢(3年)が左膝裏痛を訴え、13日の練習は完全別メニュー調整。満身創痍(そうい)の2トップだが、ともに先発出場が濃厚で、強い覚悟を胸に聖地のピッチに立つ。

 京都橘が誇る強力2トップは全体練習が終わった約30分後、そろって練習場に姿を見せた。米沢監督、そしてコーチ陣に見守られながら、小屋松と仙頭は誰もいないピッチに向かっていく。ウオーキングから軽いジョギング、そしてドリブルにパス交換。手負いの2人は、わずか20分程度で練習を切り上げた。

 「しっかりケアもしてもらった。痛みはあるけど、我慢しながらプレーはできる」。今大会ここまで5ゴールで得点ランク単独トップに立つ小屋松は悲壮な覚悟を口にした。1回戦で負傷した左ふくらはぎに加え、右膝と腰にも痛みを抱える。体の強さを自負する本人が「普段の試合なら休む」というほど。ただ、12日の準決勝・桐光学園戦のあとには病院に直行するなど、中1日で臨む決勝戦に向けできる限りの治療は施してきた。

 ケガを抱えるのは4ゴールで得点ランク2位タイの仙頭も同じだ。1回戦から全試合フル出場を続けてきたこともあり、準決勝の試合中に左膝裏に違和感が出てきた。「(痛みは)多少はあるけど動けないとかじゃない。やるしかない」。攻撃陣をけん引する背番号7は語気を強めた。2人の熱意は米沢監督にも伝わっており「試合に出すつもり」と決勝に強行先発させる方針を示した。

 初優勝が懸かる大一番には、準決勝と同じくバス15台に乗って全校生徒が応援に駆けつける。「支えてくれた人たちに全国制覇で恩返しをしたい」と小屋松が話せば、仙頭も「絶対に全国制覇します」ときっぱり。創部12年目で巻き起こす快進撃――。優勝の扉をこじ開ける「キーマン」2人にもう迷いはない。

続きを表示

2013年1月14日のニュース