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大久保激白 神戸の慰留なかった「寂しかったし、あっけなかった」

[ 2013年1月10日 06:00 ]

川崎Fへの完全移籍が決まった大久保は、神戸での最後の自主トレを行う

 J2神戸は9日、FW大久保嘉人(30)の川崎Fへの完全移籍を発表した。この日、神戸市西区の練習場で最後の自主トレをしたエースは、6年間在籍したクラブを離れる寂しさを漂わせながらも新天地での活躍を誓った。

 神戸のエースが、プロ入り以来慣れ親しんだ関西の地を離れることを決意した。この日、川崎Fへの完全移籍が発表されると、6年間在籍した練習場で最後の自主トレを行った大久保は13年シーズンの抱負を口に。「優勝したいし、点も取りたい」と、今季4得点からの巻き返しとJでの初タイトル獲得を誓った。

 神戸残留か移籍かで悩んでいた昨年12月末、答えを保留したままハワイへと家族旅行に出かけた。しかし携帯の通信状況が悪く代理人とも連絡がつかないままに28日に帰国すると、事態は大きく展開していた。

 「代理人に電話したら、“神戸から残ってほしいという言葉がなかった”という話を聞いた。寂しかったし、あっけなかった。J2に落ちても1年で上げるのが格好いいわけだし。カテゴリーに関係なく残ってもいいと思っていた…」。

 同時に川崎Fから好条件のオファーが届いたことも聞き、すぐに新天地へ向かうことを決意した。07年にC大阪から移籍し、10年の南アフリカW杯にもヴィッセル所属の選手として出場した。神戸のクラブと街に愛着を持ち、サポーターからも愛されたエース。複雑な思いは残った。

 ただクラブ側としても苦渋の決断だった。J2降格後に全選手と交渉し、意志を確認。その場でチーム残留を表明した選手が多数を占めた中で態度を保留したのが、この日に移籍が発表された大久保とDF伊野波雅彦(27)、MF野沢拓也(31)だった。“出る者拒まず”の方針のもとでオフの編成を進めたクラブ側。世代交代を図りながら、1年でのJ1復帰を目指す覚悟だ。

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2013年1月10日のニュース