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桐光 “松田魂”4発!俊輔先輩から試合前日に心に響くエール

[ 2013年1月3日 06:00 ]

<桐光学園・四日市中央工>前半25分、先制ゴールを決めた桐光学園・市森(左から2人目)は応援席の前で喜びを爆発させる

全国高校サッカー選手権2回戦 桐光学園4-2四日市中央工

(1月2日 ニッパ球)
 2回戦16試合が行われ、大会初登場の桐光学園(神奈川)が昨年度の準優勝校・四日市中央工(三重)を4―2で下し、3回戦に進出した。同校OBの横浜MF中村俊輔(34)の激励も効果的で、風上の前半に3得点を奪って快勝。優勝候補同士の大一番を制し、初優勝へ順調なスタートを切った。立正大淞南(島根)も大量7点を奪って八千代(千葉)に快勝した。 

 桐光が強風を味方につけた。激しい横風の影響で風下では、GKキックが30~40メートルほども押し戻される悪条件。佐熊監督が「先制点を取りたかったので、勝ったら風上と決めていた」と振り返ったように、コイントスに勝って前半に有利な風上を選択。思惑通り、前半は相手を圧倒して3得点を奪った。風下の後半はCKから2失点を許すも前半のリードを保って逃げ切り。2得点のエースFW野路は「県予選は無得点だったので、(点を)取れて良かった」と胸を張った。

 この日は名古屋MF藤本、川崎FのDF田中ら同校OBのJリーガーが応援に駆けつけた。96年度大会でチームを準優勝に導いた中村は不在だったが、前日の練習に母校を訪れイレブンの心に響くエールを送っていた。

 「この仲間とやれるのも最後。楽しんでやれ」。

 中村は一昨年の8月に急性心筋梗塞で亡くなった元同僚の松田直樹さん(享年34)を例に出して激励。3―2の後半29分に勝負を決める4得点目を決めたMF橋本も「あの言葉を聞いて、この一試合に集中しないといけないと思いました」と振り返った。

 徹底したフィジカルトレーニングも実を結んだ。毎週火曜日に専門トレーナーを招き、徹底した走り込みの筋力トレを行っているという。その成果もあり、Jクラブのユースチームが参加するプリンスリーグの関東1部でも、互角以上の戦いを繰り広げ、力を付けてきた。その成果として、DF陣はともにJリーグ入りする四中工の浅野、田村翔の強力2トップに、ほとんど仕事をさせなかった。

 昨年度は3回戦で姿を消したが、優勝候補筆頭の名門校を撃破した勢いは本物。16年ぶりの国立(4強)が視界に入ってきた。

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