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“なでしこ効果”だ!仙台育英 佐々木監督の前で5発圧勝

[ 2013年1月1日 06:00 ]

<仙台育英・高知>後半8分、仙台育英・坂本はゴールを決め笑顔を見せる

全国高校サッカー選手権1回戦 仙台育英5-1高知

(12月31日 埼玉)
 8大会ぶり出場の仙台育英(宮城)が“なでしこ効果”で初戦を突破した。昨年3月になでしこジャパンと練習試合を行い、この日も佐々木則夫監督(54)が応援に駆けつける中、高知(高知)相手に5得点を決めて快勝。東日本大震災の被災地に価値ある白星を届けた。
【試合結果 トーナメント表】

 なでしこジャパンのスパーリング相手が見事な勝ちっぷりを見せた。仙台育英は前半21分に先制すると、その後4得点。出場48校で唯一3バックを採用。後半35分に失点し完封こそ逃したが、5―1で快勝した。城福敬監督(55)は「自分も喉が渇くほど緊張したけど、良かった」と自身にとって初挑戦での大会初勝利を満面の笑みで振り返った。

 城福監督はJクラブでGMやスカウトなどを歴任した経験を持つ。来季J1に昇格する甲府の指揮官を務める浩氏(51)は実弟で、なでしこジャパンの佐々木監督とも旧知の仲。その縁で昨年3月には宮城県利府町で練習試合が実現。3―0で勝利した仙台育英イレブンは、佐々木監督の要望で「仮想米国」としてプレーしたという。

 なでしこはロンドン五輪本番で最大のライバル米国に決勝で敗れたものの、見事に銀メダルを獲得。佐々木監督から「全国に行ってくれ」とメッセージを送られた仙台育英イレブンも県大会を勝ち抜いた。この日は佐々木監督がスタンドで見守る中、初戦を突破した。城福監督は「佐々木さんが見に来てくれて(いるのに)負けちゃいけないでしょ」とおちゃめに笑った。

 逆境もはねのけた。東日本大震災の影響はいまだに残る。かつてのグラウンドには仮校舎が建てられ、練習場が確保できない日々が続く。それでもボールを使えない日は徹底的な走り込みとフィジカルトレーニングを行ってきた。この日2ゴールを決めた坂本も「走力が上がりました」と胸を張る。

 震災で祖父を失った内海は今回の遠征に位牌を持参。それを聞いた城福監督は「コイツをピッチに立たせないと」と後半29分にピッチに送り出した。内海も積極的な動きで白星に貢献。チーム一丸となって被災地に吉報を届けた。

 ▼高知・高橋監督 これだけ点を取られるとは…。本来のサッカーができなかった。

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