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AKBばり恋愛禁止軍団 実践学園“ストイック”1勝

[ 2012年12月31日 06:00 ]

<実践学園・東海大五>後半2分、先制のPKを決める実践学園・鴻田

第91回全国高校サッカー第1日 実践学園2―1東海大五

(12月30日 国立)
 開会式に引き続き行われた開幕試合で、8年ぶり2回目出場の実践学園(東京B)が、東海大五(福岡)を2―1で下し、大会初勝利を挙げた。現代では珍しく恋愛禁止のルールを設ける同校。アイドルグループAKB48のような規律を重んじる集団が、初勝利の勢いに乗り快進撃を目指す。

 AKB48ばりに“ストイック”な生活を送る実践学園イレブンが、国立の舞台で躍った。前半はシュート数4―11で折り返したが、後半攻勢に出る。同7分、ペナルティーエリア内で相手がハンドの反則を犯し、PKを得ると鴻田直人主将(3年)がゴール左に蹴り込み先制。その1分後には原大和(3年)が、追加点を挙げ勝負を決めた。鴻田は「ハーフタイムに監督から“10分で相手をのみ込め。命を懸けて点を取ってこい”と言われました」。指示通りに主導権を握り大会初勝利をたぐり寄せた。

 恋愛は禁止。破ったら丸刈り頭。先輩から受け継がれる“AKBルール”。異性に興味津々な高校生にとっては“苦行”とも言えるが、乗り越えてきた。鴻田は「サッカーに集中する意味がある。僕は告白されたことも、バレンタインデーにチョコを渡されたこともないですけど」と“ボールが恋人”を強調。5000人が駆けつけた応援席からは、黄色い声援も飛んだが、脇目も振らず勝利を目指した。

 恋愛だけでなく学校生活もストイックだ。「心で勝負」。セパタクロー元日本代表の深町公一監督(44)が掲げた合言葉だ。「1日にサッカーをするのは3時間。残りの約20時間の部分がしっかりしていないと一流にはなれない」。校舎を巡回して、部員の授業態度や遅刻などに目を光らせる。「常に緊張感を持っているから、きついとは思いますけどね。でもだからこそ、試合でも集中できる」。劣勢も心ではね返した。

 2回戦は日本航空(山梨)と佐賀商(佐賀)の勝者と1月2日に対戦する。原は「次も勝って、3回戦で優勝候補(桐光学園か四日市中央工)と戦いたい」。3回戦で勝利すれば、目標でもある8強入り。そして、その先には表彰台のセンターが見えてくる。 

 ◆深町 公一(ふかまち・こういち)1968年(昭43)7月27日、広島県生まれの44歳。サッカー歴は小金井四小―小金井南中―都小平高。日体大進学後、セパタクローに転身し日本代表として94年アジア大会などに出場。卒業後、実践学園の教員となりサッカー部を指導する。好きな指導者はRマドリードのモウリーニョ監督。尊敬する人物は三浦知良(J2横浜FC)。血液型A。

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