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遠藤3戦連発!G大阪 鹿島撃破で6季連続のACLに王手

[ 2012年12月30日 06:00 ]

<G大阪・鹿島>前半23分、サイドライン際から狙いすまして芸術的なゴールを決める遠藤(右)

天皇杯準決勝 G大阪1-0鹿島

(12月29日 エコパ)
 ガンバ司令塔の右足から放たれた美しい弾道が元日決戦への懸け橋となった。前半23分、左CKの場面だった。キッカーの遠藤は、同じサイドにいた二川にパスを出し、リターンパスを受けると迷わず右足を振り抜いた。高く、そして大きな弧を描いたボールは、ゴール中央を通り過ぎ、そのまま右奥のネットを揺らした。ラスト・タイトルに王手をかける貴重な決勝弾。それでも、遠藤は謙虚に振り返った。
【試合結果】

 「(ゴールを)狙ったわけではなく、クロスです。途中から入るかも…とは思って見てましたけど。たまたま入って良かったです」

 チームは天皇杯3回戦から新布陣を採用。トップ下に入っている遠藤は3試合連続で得点を挙げた。前半25分にもクロスバー直撃のシュートを放つなど存在感を示し「よりゴールに近い位置にいるので、極力フィニッシュに絡めればと思っている」と充実感を口にした。

 決勝で対戦する柏には今季リーグ戦とナビスコ杯で4度戦い、1分け3敗と分が悪い。だが、過去の天皇杯では柏に3戦全勝。今季の全4試合で得点を許した柏の工藤は累積警告で出場停止と、追い風も吹いている。

 天皇杯を手にすれば、08年から6季連続となるACL出場権も獲得する。来季はJ2で42試合を戦うばかりか、アジア王者を決める戦いに出場すれば最低でも1次リーグ6試合が加わる。2月末のACL開幕から5月6日までの2カ月半で、19試合を戦う過密日程となる。それでも、遠藤の「あるのとないのとでは全然違う」との言葉に代表されるように、選手もスタッフもモチベーションは高い。クラブも同じ志の下、昨年と同規模の約20億円の強化費を維持し、ACL出場を想定した戦力の確保に全力を注いでいる。

 今季のJ1で勝てなかったC大阪、鹿島を連破しての決勝進出で意地は示した。命運を握る背番号7は「これくらいはやれて当たり前」と前を向く。失ったプライドを取り戻すためには1年でのJ1昇格と、アジアの舞台での実力の証明が必要不可欠。屈辱のシーズンの締めくくりとなる元日決戦は、絶対に負けられない。

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