×

「“ママ頑張れ”と声が聞こえた」伊賀・宮本 有終弾

[ 2012年12月23日 06:00 ]

<伊賀・千葉>この試合で引退を表明している伊賀・宮本がPK戦1人目できっちり決める

皇后杯全日本女子サッカー選手権準決勝 伊賀1―1(PK3―4)千葉

(12月22日 NACK5)
 第34回皇后杯全日本女子サッカー選手権の準決勝2試合が22日、さいたま市のNACK5スタジアムで行われた。今季限りで引退する元なでしこジャパンの伊賀MF宮本ともみ(33)が、千葉戦で0―1から同点ゴールを決めたが、PK戦の末に敗れ現役最後の試合を終えた。千葉は初の決勝進出。3連覇を狙うINAC神戸は浦和を1―0で退けた。決勝は24日にNACK5スタジアムで行われる。

 15年間の現役生活に別れを告げても、宮本の目に涙はなかった。「泣くかなと思っていたけど、スッキリした気持ちで終われた。そんな自分にビックリです」。日本代表として04年アテネ五輪に出場するなど77試合17得点。05年に長男を出産し、06年に復帰。初のママさん日本代表としても注目を浴びた33歳は笑顔で振り返った。

 0―1の後半24分、那須のパスを受け、右足で同点弾を叩き込んだ。「仲間を信じて、詰めていたのが良かった。最後の試合で得点を決めることができた。神様がくれたプレゼントですね」と節目の一発を喜んだ。

 この日はスタンドで長男の耀大(ようた)くん(7)、夫の宏章さん(39)ら家族が見守った。「出産していなかったら、ここまで続けていなかった。家族には感謝しかない。PK戦のときに“ママ頑張れ”と声が聞こえました」。愛息の声援を背に、PKも落ち着いて決めた。

 今後については「サッカーを通して成長させてもらった。恩返しができれば」と話す。最後まで爽やかだった表情が今後のさらなる成功を予感させた。

続きを表示

この記事のフォト

2012年12月23日のニュース