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広島 寿人弾も4強入りならず…開始早々、守護神の負傷響く

[ 2012年12月10日 06:00 ]

<広島・アルアハリ>後半、得点機を逃し、頭を抱えて悔しがる広島・佐藤

クラブW杯準々決勝 広島1-2アルアハリ

(12月9日 豊田)
 Jリーグ王者の広島は準々決勝でアフリカ代表のアルアハリに1-2で敗れ、4強入りを逃した。前半32分にFW佐藤寿人(30)が一時は同点となる大会初ゴールを決めたが、後半12分に勝ち越し弾を決められた。日本代表GK西川周作(26)が負傷退場するなどアクシデントもあり惜敗。日本勢として2大会連続のベスト4進出を逃し、12日の5位決定戦でモンテレイに敗れたアジア代表の蔚山(韓国)と対戦する。

 ここで決めないで、どこで決めるんだ!試合中の気温は1度。絶好の同点機を外した佐藤は雪の舞うピッチで、しゃがみ込んだまま動けなくなった。1-2で迎えた後半36分だった。高萩のスルーパスで抜け出しGKと1対1になった。しかし、左足から狙い澄まして放たれたシュートは、無情にもゴール右へ外れた。その後も畳み掛けるが、最後まで1点が遠かった。「悔しいし、残念。あのチャンスは決めないといけなかった」。リーグ年間初優勝から続いた広島の進撃がストップした。

 試合開始からハプニングが続いた。前半3分に不動の守護神である西川がFWゲドと接触。勢いよく飛び込んだ相手の左膝が顔面を直撃し、西川は左頬を裂傷してタンカに乗せられたままピッチを後にした。代わって入ったのは、今季リーグ戦で一度も出場のない増田。これには、森保監督も「序盤だったのでチームの中で動揺があったと思う」と敗戦の一因につながったことを認めた。さらにはDF森脇が負傷交代と不運も重なった。

 エース佐藤にとっては一喜一憂する一戦となってしまった。0-1の前半32分には、左CKからのこぼれ球をミキッチが頭でつなぎ、最後は利き足とは逆の右足アウトサイドで今大会初ゴールを奪った。4日に現役引退を表明した元日本代表FW中山雅史をほうふつさせる、ジャンプしながらの右手ガッツポーズで喜びを表した背番号11。ただ、そのあとに逆転できるチャンスが何度もあっただけに、悔やまれる敗戦となった。

 12日には蔚山との5位決定戦に臨む。広島にとっての今季最終戦となるが、アジア王者を相手にJリーグ覇者としての意地を見せるしかない。

 ▼千葉 (競り負けた相手の2点目について)体をうまく入れられた。広島のサッカーができていたので申し訳ないし、悔しい。

 ▼森崎浩 主導権を握れていたが、残念な結果になった。課題は最後の精度。

 ▼日本サッカー協会・大仁邦弥会長 いい試合だったが、決定的なチャンスはあったから余計に残念。(次は)韓国(蔚山)とだからぜひ勝ってほしい。

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