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清武 圧巻個人技で愛息バースデー弾 11戦ぶり今季2点目

[ 2012年11月30日 06:00 ]

<ニュルンベルク・ホッフェンハイム>ゴールを決め、チームメートに抱き上げられる清武(中央)

ブンデスリーガ ニュルンベルク4-2ホッフェンハイム

(11月28日)
 ブンデスリーガ第14節、ニュルンベルクの日本代表MF清武弘嗣(23)は28日、ホームのホッフェンハイム戦に右MFで先発。後半41分に11試合ぶりとなる今季2得点目を決め、4―2の快勝に貢献した。前半7分にも先制のオウンゴール(O・G)につながる左FKを蹴るなど2得点に絡む活躍だった。ホッフェンハイムの日本代表MF宇佐美貴史(20)は後半から途中出場した。

 圧巻の個人技だ。清武がわずかな体重移動で相手GK、カステールスをあざむいた。後半41分。右サイドでボールを受ける。味方とのワンツーで相手DFを引きはがしながら、中央へ。次の瞬間、体を右に切り返し、右足を振った。ボールは右ポストに当たり、ゴールに消えた。清武の動きを読み、左へポジションを変えていたカステールスは逆を突かれ、ぼう然とするしかなかった。

 今季2得点目。清武の肉体を快感が包む。「良かった。11月27日が息子の(1歳の)誕生日なので。いつもなら左足で打っていた。冷静だったと思う」。1日遅れだが、長男・真駿(しゅん)くんへのバースデー弾に口調が弾んだ。9月15日のボルシアMG戦で決めた“ドイツ1号”から11戦ぶりに決めた技ありゴール。しかも4―2の快勝に導いたとあって、日頃はクールな男も珍しく、冗舌になった。

 前半7分の先制弾も清武からだった。左からのFK。鋭いシュートは相手DFの体にわずかに当たってコースを変えると、勢いそのままゴールに吸い込まれた。記録上はO・Gとなったが、限りなく清武の得点。試合後、FKのイメージを聞かれると「適当っす。本当に。O・Gでしたけど、まあ良かったです」。乗ってる男にはゴールの女神までほほ笑んでくれた。

 ドイツ移籍後、痛感したのが個人技の大切さだった。日々の練習でも1人で局面を打開する力を身につけようと泥にまみれた。得点シーンも、いつもの清武なら長い距離をドリブルし、DFをこじ開けず、パスを選択したはずだ。それでも強引に勝負したからこそ、生まれたものだ。

 「絶対に(味方に)パスを出さねえって思ってました。1点目も(自身のゴールか、O・Gか)分からなかったので、ここで打たないとヤバイって。バースデーゴールになって良かった」。29日付の大衆紙ビルトは清武を今節のベストイレブンに選出。同紙は最高点の1、専門誌キッカーも1・5点と高く評価した。今後の清武にますます期待が高まる、そんなパフォーマンスとなった。

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