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INAC4発!!リーグ連覇に沢感慨「勝利積み重ねた結果」

[ 2012年10月29日 06:00 ]

<岡山湯郷・INAC神戸>試合後神戸に戻って行われた祝賀会で大野(手前)にビールをかける川澄

なでしこL第16節 INAC神戸4-1岡山湯郷

(10月28日 美作)
 INAC神戸がFW大野忍(28)の2得点など4―1で岡山湯郷を下し、2試合を残して2年連続2度目の優勝を決めた。リーグ杯は日テレに奪われたが、MF沢穂希(34)やFW川澄奈穂美(27)らが中心となってリーグ戦は独走V。10年10月から続くリーグ戦無敗を35試合に伸ばした。
【順位表】

 優勝の実感はひと呼吸置いてやってきた。試合終了の瞬間、沢は仲間とハグをして軽く祝福しただけ。だがロッカールームでチームが集まると、どっと感情が湧き出た。

 「リーグ戦という長い間、勝利を積み重ねた結果。うれしく思います」

 サッカー人生の中でも忘れることができない1年だった。リーグ開幕戦の4月15日は良性発作性頭位めまい症の不安が消えず、ピッチにも立てなかった。22日の次戦、途中出場で復帰したものの、いつもの切れはなかった。あれから約半年。13日の伊賀戦では貴重な決勝点を頭で決めた。今でも首回りをほぐすなど、ケアはしているが「病気のことを考えずできている」と表情には明るさが戻っていた。

 五輪後の8月下旬からは新たな役割もこなしている。星川監督がS級ライセンス取得のため週の半分は不在。主将の大野らとともに指揮官の教えを最もよく知る沢が今まで以上に背中で引っ張るようになった。

 頼りになるのは沢だけではなかった。この日、一番輝いていたのは川澄だった。前半4分、大野のポストプレーを受けるとすかさずシュート。先制点を決めると、その後も3得点に絡んだ。体脂肪率9・8%に絞り挑んだ今季。左FWだった前半戦は各チームの徹底マークに遭い苦しんだが、右FWに移った後半戦は新境地を開拓。右サイドバックの近賀とのコンビでチャンスをつくり「パスやスピードの質は上がった」と胸を張った。

 9月のリーグ杯で日テレに優勝を許したが、リーグ戦では独走V。いつもは辛口の星川監督も「1回優勝するのはどのチームもできるが、2年連続で無敗は偉業」と興奮気味に話した。今季は沢の病気や、FW京川の左膝負傷による戦線離脱など順風満帆ではなかったが、的確なコンバートなど刺激を与えながらまとめ上げた。リーグ戦を制したことで11月22日に開幕する国際女子クラブ選手権の出場権を手に入れた。「きょうの試合が終わった瞬間、次という考えがこのチームにはある」と星川監督。進化し続ける常勝軍団は決してスピードを緩めない。 

 ▼INAC神戸レオネッサ 2001年に創部。05年からLリーグ(現なでしこリーグ)に参入し、06年に1部昇格。11年1月の全日本選手権で初タイトルを獲得。昨季リーグ初制覇。INACは「インターナショナル・アスレチック・クラブ」の略。レオネッサはイタリア語で雌ライオン。

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