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ベルギー“最高潮”アザール、フェライニらスター級若手ズラリ

[ 2012年10月16日 06:00 ]

12日、難敵セルビアを退けたベルギー代表

W杯欧州予選A組 ベルギー―スコットランド

(10月16日)
 ベルギーが強い。16日は各地でW杯予選が行われるが、ここまで欧州予選A組で首位。12日には難敵セルビアに敵地で3―0と快勝し、16日のスコットランド戦で連勝を狙う。今夏にリールからチェルシーに移籍金4000万ユーロ(約41億円)で加入したMFエデン・アザール(21)ら有望株をそろえ、日本と戦った02年日韓大会以来のW杯出場に期待が高まっている。

 チェルシーの開幕ダッシュを支えたアザールにエバートンでマンチェスターU撃破の決勝点を挙げたアフロヘアのフェライニ、昨季マンチェスターCを主将として44季ぶりのリーグ優勝に導いたコンパニー…。気になる選手を調べれば、なぜかベルギーに行き当たる。

 16強に入った02年W杯を最後に主要大会から遠ざかったが、08年北京五輪4位と若手が成長。ウィルモッツ監督は「いいチームは結果のみで評価される」と慎重だが、ロングボール主体からパスワークが軸の攻撃サッカー転換を支えてきた顔ぶれは代表関係者が「5~10年前の代表選手が今のチームに入れる確証はない」と漏らすほどだ。背景には国外の有力クラブによる青田買いがある。

 アザールは14歳でリール(フランス)に加入。フェルマーレンは14歳、フェルトンヘンは16歳でアヤックス(オランダ)入りした。ルカクはアンデルレヒトに在籍した09~10年に16歳でベルギー得点王となり、18歳でチェルシーに移籍。若年層にベテラン重用の国内リーグを避けて早期移籍を目指す傾向が強まり、国外で伸ばした個の力を代表にフィードバックしてきた。国外組は02年W杯は23選手で8人止まりだったが、今回は24選手のうち実に20人を占める。

 若くして国外に出る選手は上昇志向も強く、デブルイネは「以前は一度勝てば喜んでいたけど、今は予選突破まで満足しない」。86年W杯メキシコ大会で「赤い悪魔」を史上最高の4位に導いた名手シーフォ氏も「われわれの時代よりタレントが多い。あとは精神的な強さだけ」と期待する。

 期待のアザールは32戦2発と実は代表で力を出せず、セルビア戦では主軸フェライニが負傷欠場。それでも快勝するだけの力がある。FIFAランク30位ながら同11位のクロアチアを得失点差で上回って予選首位。02年W杯で日本戦のオーバーヘッド弾など3得点し、ベルギーを同大会で最後に輝かせた指揮官が「まだ若く伸びしろが大きい」と指摘するチームはどこまで成長するのか。人口1100万人の小国が旋風を起こしている。

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