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若手に続き主力も…札幌 負傷者続出の原因はオフの自主トレにあった

[ 2012年10月3日 07:40 ]

1月、熊本キャンプでトレーニングを行う札幌イレブン

 札幌は昇格即降格した08年同様、負傷者に悩まされた。特に多かったのは主力選手の古傷悪化だ。7月7日の新潟戦でMF河合が右膝内側側副じん帯を損傷。さらにFW近藤、MF高木純といった昇格の功労者たちもシーズン中盤で古傷の手術で離脱してしまう。佐川チーフトレーナーは「蓄積疲労」との見解を示した。

 クラブは08年を教訓に保有人数を増やした。負担を分散させることで、悪化を防ぐのが狙いだ。しかし序盤で、主力を脅かすはずの若手から中堅選手に筋肉系のトラブルが続いた。結果、古傷を抱える主力選手が試合に出続ける。DF日高、DFノースは、新たな故障を抱えてしまった。

 関係者は「自主トレの時点で問題がある」と指摘。ある選手も「1年戦う体をつくれていない」と言う。オフは積雪で外での自主トレは不可能。道外に拠点のある選手たちはチーム解散と同時に脱出する。若手は道内出身者が多く、北海道に残る。長期間個人で合宿を張る元手、コネクションもない。体を追い込めず、見本となるベテランも不在。この環境に危機感を抱いたスタッフが、若手を道外に集めた合同自主トレをクラブに提案したが、資金面の問題から実現できず。強化には、個々の高い意識が必要だった。

 J2だった昨季の練習は昇格するために、調整が主体。しかし今季は、J1に残るために、レベルアップが必要だった。自然とシーズン中の練習はハードなものに。試合も守勢が続き、リアクションの動作が多くなる。しっかりとした基礎がなければ、負傷のリスクは倍増していた。

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2012年10月3日のニュース