カズ　フットサル代表候補に選出「思いは誰よりも強い」

[ 2012年9月21日 06:00 ]

フットサルＷ杯タイ大会　１１月１日開幕

　カズが再び日本を背負う。日本サッカー協会は２０日、フットサルＷ杯タイ大会（１１月１日開幕）の日本代表候補１６人を発表し、Ｊ２横浜ＦＣのＦＷ三浦知良（４５）が初選出された。日本代表選出は００年１２月、サッカー日本代表の韓国戦以来１２年ぶり。背番号は代名詞の「１１番」に内定。横浜市内のグラウンドで練習を行ったカズは早速、Ｗ杯で初ゴールを決めてカズダンスを披露することに意欲を見せた。２４日に始まる名古屋合宿からフットサル日本代表の一員として活動を開始する。

　ほほ笑みの国タイでのカズダンスを予告するかのようだった。５５分間、灼熱（しゃくねつ）のピッチで汗を流したカズは練習を終えると突然、故マイケル・ジャクソンさんのステップをまね、最後は右手を天高く突き上げた。集まった報道陣は４０人。慌ててシャッターを切るカメラマンに「一瞬も油断しちゃ駄目だよ。マイケルは“切れ”が違うんだから」。イタズラっぽく笑ってみせた。

　この日、晴れてフットサル日本代表候補入りの吉報が届いた。カズの全身に興奮が走る。「（サッカーの）Ａ代表と同じ気持ちで取り組みたい。日本代表への思いは誰より強い。宿舎で代表のジャージーを着るときからワクワクするし、練習着でも早く着たいくらい」。まだ肩と首に痛みを抱え、体調は万全ではないが、２４日からの名古屋合宿合流も決定し気分は高まっていた。

　Ｗ杯メンバーは１４人。競争を勝ち抜かなければならないが、自身初のＷ杯出場に大きく近づいた。１次リーグはＶ候補のブラジル、ポルトガルと同じ「死の組」。中でも１５歳でブラジルに渡ったカズにとって初戦ブラジル戦は特別だ。「カナリアのユニホームは世界で最も偉大だと今でも信じている。日本の団結力を見せれば歴史を変える可能性はある。なでしこジャパンやＵ―２３日本代表のように。それを習って大きな力になっていかないと」と力を込める。

　合宿では楽しみな再会が待つ。ペルー出身で８月に日本国籍を取得した森岡（名古屋オーシャンズ）も初選出。今年１月、エスポラーダ北海道の一員としてＦリーグに初挑戦したカズは昨年末、Ｆリーグ所属の選手たちと都内でひそかに合同練習した。その中に昨季ＭＶＰ＆得点王の森岡がいた。カズは「シュート力が凄かった」とその実力に衝撃を受けた。南米の実力を肌で知る２人のタッグは、新生日本代表の強力ホットラインだ。

　４５歳で臨むＷ杯。ゴールを決めれば大会の最年長記録を更新する。「ゴールすれば、若い選手にまだまだできるというのを証明できる。もしかしたら５０歳までやる選手が出てくるかもしれない。ま、僕が先にやってると思うけど」と笑わせた。背番号も代名詞と言える「１１番」に内定した。最後に「Ｗ杯でもカズダンスは？」との質問に「そうなるといいよね」とほほ笑んだカズ。次はタイのコートで右手を天高く突き上げる。

　▽フットサルＷ杯タイ大会　１１月１～１８日にタイのバンコク、ナコーンラーチャシーマーで開催される。開催国タイを含む２４チームが出場。６組に分かれて行う１次リーグで各組上位２チームと、各組３位の成績上位４チームが決勝トーナメントに進む。登録は１４人で全員がベンチ入りする。今回が第７回で日本は３大会連続４度目の出場。

　▽フットサルの主なルール　１チーム５人（ＧＫを含む）。試合中１度退いても何度でも自由に交代できる。試合は２０分ハーフで行われる。ピッチの大きさは縦３８～４２メートル×横２０～２５メートル（国際試合）でサッカーの約４分の１。主要なルールはサッカーと同じだが（１）キックイン、壁なしのＦＫなどは４秒以内に行う（２）退場者が出ても相手が得点した場合、交代要員を補充できる（３）オフサイドがない、など独自のルールもある。