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沢越え6発!陽子スーパー無回転弾で銅つかんだ

[ 2012年9月9日 06:00 ]

<ナイジェリア・日本>前半、田中陽はゴールを決め笑顔を見せる

U-20女子W杯3位決定戦 日本2-1ナイジェリア

(9月8日 国立)
 3位決定戦でナイジェリアと対戦した日本は、2―1で勝利し、初の銅メダルを獲得した。前半24分にMF田中陽子(19=INAC神戸)が無回転のミドルシュートを決めて先制すると、後半5分にはFW西川明花(20=FC高梁)が追加点。相手の反撃を1点に抑えた。田中陽は日本女子選手として世界大会での1大会最多となる6得点をマーク。観戦した、なでしこジャパンのMF沢穂希(34=INAC神戸)超えを果たし、15年カナダW杯での代表入りを誓った。

 3万人が見守ったヤングなでしこの卒業試合。“総代”は、目の覚めるような今大会6点目を叩き込んだ田中陽子だ。ヒロインはスタンディングオベーションで喝采を送る大観衆に手を振り、笑顔で“答辞”を述べた。「力を全部出して笑顔で終わろうと考えていた。自分たちのためだけじゃなく、お世話になった人たちに結果で恩返しができたことが一番うれしい」。

 0―0で迎えた前半24分だった。右サイドの田中美からの横パスを前に持ち出すと、左足を力の限り振り抜いた。距離は約25メートル。無回転のまま小刻みに揺れるぶれ球は、相手GKの手をはじいて右サイドネットに突き刺さった。「あの距離だと無回転じゃないと入らないと思ったので」と振り返った。

 今大会はまさに「陽子劇場」の20日間だった。4試合連続など積み重ねたゴール数は、世界大会1大会での日本人最多タイとなる「6」。得点王は逃したが、ランキング2位の選手に与えられる「シルバーシューズ賞」(ロッツェンと同じ6点で並んだが、アシスト数で上回ったため)を受賞した。この日は11年女子W杯で5得点を挙げた沢が、大会アンバサダーとして来場。次世代のエースは文句なしのゴールで“沢超え”を果たした。

 世代別での戦いは、これで卒業。次なる目標は、15年W杯カナダ大会になでしこジャパンの主力として出場することだ。「U―17で銀メダル、U―20は銅メダルを獲れた。あとは金メダルしか残っていない。金を狙っていく」。3年後の世界一に向けて――。日本中をとりこにしたヒロインに課された宿題は少なくない。

 ≪女子選手の歴代最多得点≫田中陽が女子選手が世界大会1大会で挙げた最多の6得点を挙げた。過去には10年のU―17W杯で横山久美がマークしており、それに並んだ。昨年のW杯では沢穂希が歴代3位の5得点を挙げ、優勝に貢献した。

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2012年9月9日のニュース