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ミスミスミス3失点…わずか19分間で勝負あった

[ 2012年9月5日 06:00 ]

<日本・ドイツ>前半19分、CKからロッツェンに3点目のゴールを許すヤングなでしこイレブン

U―20女子W杯準決勝 日本0―3ドイツ

(9月4日 国立)
 開始早々から悪夢が始まった。わずか57秒、ヤングなでしこは最終ラインの裏、センターバックの土光と木下の間にスルーパスを通され先制点を奪われた。同13分にはロングボールからクリアミスが重なり、1対1で飛び出したGK池田の上にループ弾を決められた。さらに6分後にも右CKからヘディング弾を叩き込まれ、序盤に3失点。前半で勝負が決まった。

 守備陣は出はなをくじかれ、浮足立った。「1失点目は自分のミスでもある。申し訳ない気持ちでいっぱい」と土光は試合後に号泣。木下も「2失点目は完全に相手にかぶってやられてしまったシーン。負けは守備陣の責任」と肩を落とした。

 優勝候補ドイツ相手の大一番で、ヤングなでしこを苦しめたのは組織力だった。昨年のW杯で世界一、ロンドン五輪で銀メダルに輝いたなでしこジャパンは、パスワークと献身的な守備から生まれる組織力で世界と戦ってきた。協会幹部によると吉田監督の指導方針は「ボールが来たらターンして勝負」と組織力の向上よりも個の力を伸ばすことに重点を置いているという。だが、ドイツの前からのプレッシャーにも戸惑いを隠せず、守備を崩され失点を重ねた。

 結果的には完敗だったが、ヤングなでしこはリスクを顧みず、決勝が懸かる大一番でも勇敢に個の力で挑んだ。「守備は痛い目に遭った分(いろんなことを)学んだ。3位決定戦、その先を見据えて頑張ってくれると思う」と指揮官。流した涙は3年後のW杯カナダ大会、4年後のリオデジャネイロ五輪で歓喜の笑顔に変わるはずだ。

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2012年9月5日のニュース