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罵声すらなし…「降格」近付く札幌 サポーターにも見放された

[ 2012年9月2日 13:04 ]

<札幌・清水>惨敗に肩を落とし引き揚げる札幌イレブン

J1第24節 札幌0-2清水

(9月1日 札幌ド)
 サポーターにも見放された。J1札幌は清水に0―2で敗れ、3連敗。09年の大分に並ぶ最速タイでの20敗目を喫した。前半38分に先制点を許すまでは主導権を握ったが、失点を機に後手後手に。後半31分にはMFハモン(24)が給水ボトルを蹴り、2枚目の警告を受けて退場する始末。「降格」という2文字が現実味を帯びてきた。

 罵声すら飛ばなかった。スタジアムから意気消沈のイレブンが去っていく。試合後、ゴール裏へあいさつに行ったが、わずかなブーイングが聞こえるのみ。前節・7月25日のG大阪戦では横断幕を外し、約25分間の「説教タイム」を繰り広げた熱心なサポーターも無視を決め込む。どんなに連敗を重ねても、拍手と声援を送り続けてくれた「最大の理解者」たちが無言。MF古田は「当然のことだと理解しています。結果が出ていないので…」と声を絞り出した。

 序盤こそ執念はあった。「戦う姿勢が出ていた」と石崎監督。G大阪戦の7失点大敗を払しょくするかのようにガムシャラに走った。高い位置からプレスを掛けて、攻撃につなげていく。しかし前半38分に、負へのスイッチが入ってしまう。GK杉山がDFノース、清水のFW金賢聖(キムヒョンス)との混戦からボールをこぼし、ネットが揺れた。

 「先取点を取られて、頭が下がる姿が出始めてしまったよ」とノース。後半31分には、シュートを外しいら立ったハモンが給水ボトルを蹴り退場。「(理由は)レフェリーに聞いてくれよ」。1人少なくなり、万事休した。

 残り10試合。残留への道筋は厳しい。18チーム制となった05年から残留圏・15位の平均勝ち点は38。現在の勝ち点は10で、もはや黒星は許されない状況にまで陥った。三上強化部長は「現実には厳しいところまできた。しかし、われわれは現時点での最大の勝ち点を取る。残留を信じて最後までやります」と祈るように話した。8日の天皇杯を挟み、次節は15日、昨季王者の柏とのアウェー戦。勝利しか打破する術は残っていない。

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2012年9月2日のニュース