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沢に並ぶ!陽子 大会通算5点目に意欲

[ 2012年8月30日 06:00 ]

テーピングで固められている左足を上げアップする田中陽

U―20女子W杯準々決勝 日本-韓国

(8月30日 国立)
 日本で開催中のU―20女子W杯に出場しているヤングなでしこは、30日、東京・国立競技場で行われる準々決勝で韓国と対戦する。29日、都内で最終調整したMF田中陽子(19)は、大会通算5点目に意欲を見せた。全年代を通じて世界大会での5点は11年女子W杯の沢穂希(33)に並ぶ歴代2位タイ。10年U―17女子W杯の決勝で敗れた宿敵相手に得点を決め、日本を初の4強へ導く。

 「世界の沢」に肩を並べる瞬間が目前に迫った。ヤングなでしこの前日練習は冒頭15分間だけ公開されたが、田中陽は笑顔で同僚と会話するなど終始リラックスムード。3試合連続ゴールなど今大会で4点をマークした日本のエースは「過去の大会より調子もいい。(韓国戦も)得点やアシストをしていきたい」と愛くるしい表情を見せた。世界大会に限れば、1大会での最多得点は10年U―17女子W杯(トリニダード・トバゴ)でFW横山久美(19)がマークした6点。田中陽は11年女子W杯で5点を挙げた沢穂希にあと1と迫っているが、韓国戦で複数ゴールを決めれば、一気に歴代1位に躍り出る。

 沢超えを果たすには格好の舞台だ。韓国は10年U―17女子W杯の決勝でPK戦の末敗れた因縁の相手。「負けて悔しい思いをした。勝ったときの相手の表情は今でも覚えています」。当時の主力メンバーで、今大会には選出されなかった川島はるな(仙台)とは大会中にも連絡を取っており「ゴールを決めて頑張って、とメールが来ました」と明かす。直接リベンジできない仲間の分まで、思いを背負って戦う覚悟だ。

 韓国戦の悔しさは忘れていない。宿舎では憧れのスペイン代表MFイニエスタのプレーや、自らの好調時の映像を見て、気持ちを落ち着けるというが、その一方で韓国戦の映像を常に見続けてモチベーションを高めてきた。「相手を抜いたときや、ボールを奪ってからのパス(の映像)を見ます」。母国開催で巡ってきた再戦。19歳は打倒・韓国のイメージをインプットしていた。

 ロンドン五輪では関塚ジャパンが3位決定戦で韓国に敗れ、メダルを逃した。本人は意識しなくても、周囲はそのリベンジをヤングなでしこに託している。負けられない重圧との闘い。「緊張もあるけど、どう(気持ちを)楽に持っていけるかを考えている」。さりげなくつぶやいたエースの双肩には、ヤングなでしこ初の4強入りが懸かっている。

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2012年8月30日のニュース