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猶本、鮮やか“PK締め”「いいムード」で韓国戦へ

[ 2012年8月27日 06:00 ]

<スイス・日本>後半、PKを決め笑顔を見せる猶本(中央)

U―20女子W杯1次リーグA組 日本4-0スイス 

(8月26日 国立)
 爽やかな猶本の笑顔が国立に映えた。3―0の後半39分、横山からのスルーパスに抜け出しドリブルで仕掛けて、相手GKのファウルを誘発しPKを獲得した。「コースは決めていました」。自らゴール左に決めて、ゴールラッシュを締めた。「大量得点を決め、いいムードで(準々決勝に)上がれます」と胸を張った。

 持ち前の向上心がヤングなでしこをけん引する原動力だ。今春から筑波大に進学し、所属クラブも福岡ANから浦和に移籍。往復3時間をかけて電車通学しながら、学業とサッカーの両立に奮闘中だ。どれだけ忙しくても、自宅ではサッカーの映像を見て研究を欠かさない。

 浦和の村松浩監督は「リーグ戦や練習試合を撮影したDVDをよく“貸してもらってもいいですか?”と聞いてくる。他の選手たちより頻度は多い」と話す。自分が出ている試合だけでなく、スペインリーグのバルセロナや、男子の日本代表、なでしこジャパンの試合など、参考になるものは全て教材にしている。

 準々決勝の相手は韓国。10年U―17W杯決勝でPK戦の末、敗れた因縁の相手だ。猶本は「今でもたまに思い出します。(韓国戦を)何度も映像で見返しました。(3―2から)3点目を取られたシーンは思い出します。でも自分たちも成長している。絶対勝ちたいです」。2年前に世界一を阻まれた宿敵を下し、悪夢を払しょくする。

 ▼吉田弘監督 勝てて良かったです。引かれた相手になかなか攻めきれず(田中)陽子が決めてくれた。(中3日の)疲れは目に見えている。韓国戦は毎回そうですが絶対に負けられない戦いになる。

 ▼日本サッカー協会大仁邦弥会長 スタイルを変えずにやっていていいんじゃないか。これからもどんどん盛り上がっていくかと。(韓国戦は)一つの試合なので、それに勝つことに集中したい。

 ◆U―17女子W杯トリニダード・トバゴ大会決勝韓国戦(10年9月25日)京川、横山、猶本、田中陽、浜田らが先発。前半6分に先制されるが、5分後にCKのこぼれ球を猶本が押し込んで1―1。同17分に田中陽の追加点で逆転に成功するが、ロスタイムに直接FKを決められて2―2で前半を終了。後半12分に再び勝ち越したが、同34分に追い付かれて3―3のまま延長戦に突入。120分でも決着がつかず、PK戦4―5で敗れた。

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2012年8月27日のニュース