×

宮間が泣いた…決勝では「今まで以上に人生懸けたい」

[ 2012年8月8日 06:00 ]

<フランス・日本>涙を流して勝利を喜ぶ沢(左)と宮間

ロンドン五輪サッカー女子準決勝 日本2―1フランス

(8月6日 ロンドン)
 宮間の意思が寸分違わずボールに乗り移った。前半32分、大儀見が倒されて得たFK。ゴール右、40メートルの位置にボールを置くと狙いが定まった。「GKのポジショニングが前に偏っている。(無回転キックの)ぶれ球でミスを誘おうと思った」。狙い通り無回転で揺れながら飛んでいったボールは、GKにキャッチされかかったが、手からするりとこぼれ落ち、拾った大儀見が押し込み大きな先制点が入った。

 2点目も狙い通り。後半4分、ゴールから30メートルのFK。「蹴る直前に阪口のマークが外れたのが分かった」と背番号6に合わせた。それを阪口が頭で決めて貴重な追加点を奪った。「家族や夜中に(日本で)応援してくれている人の頑張れという声が幸運を呼んで、自分たちの力になった」と振り返った

 試合終了と同時にMFアビリの元に駆け寄った。09年に所属した米女子プロサッカーのロサンゼルス・ソルでトップ下のポジション争いをして一緒に暮らしたこともあるライバルだ。「いい友人として心が痛かった」。敗者になった仲間の胸の内を思いやった。

 W杯決勝でも米国のGKソロを気遣ったように、スポーツマンシップあふれる主将はチーム内でも愛情いっぱいだ。キックオフ直前、ゴールした時、試合終了直後、ことあるごとに宮間が指をさして手を振る相手はスタンドで見守る4人のサポートメンバー。「勝ったチームが強いとは言い切れないが、間違いなくいいチームだと思います」。リーダーシップあふれるキャプテンは常にチーム22人全員の存在を気にかけ、一体感を大きな力に変えている。「決勝では今まで以上に人生を懸けたい」。目指すゴールはもうすぐだ。

続きを表示

この記事のフォト

2012年8月8日のニュース