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なでしこピリピリ五輪モード 非公開練習&かん口令

[ 2012年7月14日 06:00 ]

非公開で行われた練習は、グラウンド周辺にガードマンを配置するものものしさだった

 なでしこジャパンが初の鉄のカーテンを敷いた!ロンドン五輪に向けた千葉県内での国内合宿5日目の13日は、男子大学生とゲーム形式の練習を実施。冒頭15分のみの公開で、約2時間45分にわたって守備を中心と戦術や連係を確認した。佐々木則夫監督(54)が通常練習を非公開にするのは初で、選手にもかん口令を出す徹底ぶり。初戦のカナダを中心に、五輪1次リーグで対戦する3カ国の対策に本格的に乗りだした。

 異例ずくめの対応から指揮官の本気度が伝わってきた。過去に国際大会の期間中や練習試合を非公開にしたことはあったが、キャンプ中の練習を非公開にしたのは就任5年目で初。佐々木監督は「集中できた。クローズにしてよかった」と満足そうに振り返った。

 練習終了後、どの選手からも具体的な練習内容が語られることはなかった。阪口は「お口も非公開」と冗談でかわし、何かを話そうとした丸山の口を安藤が慌てて手で押さえる場面も。ある主力選手は「話をするとチームから追放されるので…」と視線をそらした。異様な光景は、9日からの国内合宿が“第2部”に突入したことを意味している。11日のオーストラリアとの壮行試合を終え、この日、ついにカナダ戦に向けてトップギアに入った。

 練習前のミーティングでは今合宿で初めて五輪の1次リーグで対戦するカナダ、スウェーデン、南アフリカの映像を全員で分析。そのイメージに基づいて、男子大学生を相手に主力組と控え組に分かれ実戦形式の練習を行った。佐々木監督は「状況で(時折プレーを)止めながらのゲーム。2つのグループを分けてやらせたから時間がかかった」と説明した。

 炎天下にもかかわらず、練習時間は2時間45分にも及んだ。疲れがピークに達した終盤には、セットプレー時の守備の連係を確認。「疲れてきたところでセットプレーで絶対に守りきるのが一番のポイント。大学生には“手を抜かないでやってくれ”と伝えた。切り傷やたんこぶができても本番までには間に合うからね」と指揮官はケガ人覚悟の構えを示した。

 岩清水が「細かいことが確認できるのは今しかないので良かった」と話すように、五輪本番にコンディションを合わせるために、指揮官はあえて選手に負荷をかけている。「一度ピークにもっていって、この辺から一度落としていく。選手たちはよくやってくれているよ」。選手の疲労と長距離での移動を考慮したのか、予定していた14日午後と15日の練習の中止が決定。2日連続の非公開練習となる、14日の午前練習で国内合宿を打ち上げる。11日後にカナダとの初戦を迎える本大会に向け、メダル獲得への台本は完璧に書き上げられているようだ。

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2012年7月14日のニュース