丸山 滑り込み代表入り「ノリさんのため」恩返し弾誓う

[ 2012年7月3日 06:00 ]

活躍を誓い笑顏でポーズを決める丸山

 丸山が執念で五輪メンバーを射止めた。日本サッカー協会は2日、ロンドン五輪に出場する男女のメンバー各18人を発表した。昨年のW杯に続く優勝を狙うなでしこジャパンは右膝前十字じん帯損傷から復活したFW丸山桂里奈(29=大阪高槻)が滑り込みで代表入り。リハビリ中に励ましてくれた佐々木則夫監督(54)への恩返し弾を誓った。MF沢穂希(33=INAC神戸)は集大成として4度目の五輪に挑む。

 吉報が舞い込んでも、丸山にいつもの天真らんまんな笑顔はなかった。「うるっと来ちゃいました」。大きな瞳にこみ上げた涙が光った。大阪・高槻のクラブ事務所。ぐっとこらえて代表発表のテレビ中継を一緒に見守ったチームスタッフと喜びを分かち合った。

 発表から3時間後の会見。落ち着きを取り戻すと3度目の五輪へ向けて表情を引き締めた。「冷静に待ったつもりだったけれど、やっぱりドキドキしていました。素直にうれしいし、ここからが勝負という気持ちでいっぱいです」

 昨年9月に右膝前十字じん帯損傷の手術を受けた。全治6カ月の診断を信じ必死に励んだリハビリ。4月15日のリーグ開幕戦で復帰したが、実はドクターストップがかかっていた中での強行出場だった。おかげで膝に水がたまり一時はペースを緩めざるを得なかったが、気候が温暖になると状態も好転。スウェーデン遠征直前の合宿に練習生として参加すると渡欧直前に代表へ昇格した。

 周囲への感謝の気持ちも忘れない。入院中、指揮官が「ケガが早く治るようにと思って連れてきました」とダッフィー(熊)のぬいぐるみを持参し見舞いに訪れたことがあった。大阪に引っ越した時もそのぬいぐるみを大事に連れてきただけに「“期待して待っている”というノリさんの言葉が励みになった。ノリさんのために持っているものを出したい」と指揮官の名前を何度も口にした。ケガした直後からメールや直接のメッセージで励ましてくれた沢の存在も大きい。「この喜びを一緒にがんばろうと言ってくれた沢さんに伝えたい」と感謝した。

 母・慶子さんへもリハビリ中は必ず電話とメールを寄せ、陰で支えてくれた。代表が決まると「祈るような気持ちでした。ロンドンを目指してもがいている姿は今までに見たことがないものでした」と自分のことのように喜んだ。

 監督、家族らの支えを受けての滑り込み選出。「ゴールに向かって貪欲にプレーして、チームとしては金メダル」と目標を掲げる。アテネ、北京の両五輪で全9試合に途中出場したがゴールは決めていない。描くは昨夏のW杯準々決勝のドイツ戦で沢のスルーパスに反応した決勝弾。なでしこジャパンに勢いを与える一発には、恩返しの意味も込められている。

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