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金メダル黄色信号…佐々木監督「今のままじゃ厳しい」

[ 2012年6月23日 06:00 ]

記者の質問に答える佐々木監督

 国際親善大会のスウェーデン招待に出場したなでしこジャパンが22日、成田着の航空機で帰国した。18日の米国戦で1―4と惨敗するなど五輪本番に不安を残したことで佐々木則夫監督(54)は急きょ現地で全員と個別面談を行って問題点などを指摘。7月9日から千葉県内で実施する合宿では、スピードと体格で勝る欧米勢の攻撃への対策に特化する考えを明かした。

 スウェーデン遠征でぼやけかけた金メダルのイメージ。「このままでは金メダルは厳しい。ここで自信を失うのか、それとも試行錯誤して金メダルへの意識を高めるのか。そこに懸かっている」。佐々木監督は選手の危機感をモチベーションに替えるため、異例の個別面談に乗り出した。

 「米国戦に出た選手はホテルで、スウェーデン戦(20日)に出た選手は空港の乗り継ぎの間に話をした。平均すると1人15分ぐらい」。選手名や具体的な内容は明かさなかったが「海外組の選手のスケジュールを確認して、ある選手には“ボールを使える環境で練習した方がいいぞ”と伝えた。準備の仕方を指示した」と説明した。

 五輪の目標は1次リーグ突破ではなく、あくまでも金メダル獲得だ。1次リーグで同組のスウェーデンには1―0で勝ったが、米国には1―4で大敗。最大のライバルの“壁”の高さを再認識し、7月9日から千葉県内でスタートする国内合宿で対策に着手することを決めた。「1次リーグで対戦するチームだけじゃなく、米国対策もやらないと。(練習で)男子大学生を2トップに入れて、ワンバック選手の映像を見てもらって仮想米国でやる」。守備面は「ロングボールの対応」、攻撃面は「立ち上がりの対応で、プレッシャーをかけて(DFラインの)裏に出すプレーを徹底しないといけない」と取り組むべき課題を挙げた。

 23日にはなでしこリーグ杯が開幕。18人の五輪代表選考も最終段階に入っており、指揮官は千葉―浦和戦を視察する。さらに、今月30日にオタワで行われるカナダ―米国戦も現地で視察予定。チームの立て直しとライバルの分析――。限られた時間の中で、与えられた宿題をきっちりとクリアしていく。

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