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大滝“なでしこ”生き残り弾!五輪メンバー入りへアピール

[ 2012年6月14日 06:00 ]

シュートを放った勢いでそのままでんぐり返しをする大滝

なでしこジャパン合宿3日目

(6月13日)
 15日からのスウェーデン遠征に備え国内合宿中のなでしこジャパンは13日、千葉県内で男子大学生を相手にゲーム形式の練習を実施した。2―3と敗れたものの、初招集のFW大滝麻未(22=リヨン)が1ゴールをマークして、18人のロンドン五輪メンバー入りに向けて存在感をアピールした。なでしこジャパンは14日に国内合宿を打ち上げ、15日未明に渡欧する。

 合宿も3日目に突入し、いよいよ実戦モードにシフトした。明海大サッカー部の男子選手を相手に、控え組と主力組がランダムに入れ替わりながら実施したゲーム形式練習で目を引いたのが大滝のスケール感だった。

 開始13分、控え組の右FWとしてピッチに入ると、1メートル72の高さと強さを前面に押し出してプレー。28分に佐々木監督が「攻撃の練習のために」大学生2人を減らして数的優位の状況をつくり出すと、1分後に見せ場をつくった。上尾野辺のパスに反応してDFラインの背後に鋭く抜け出し、右足で“代表初ゴール”。前日に「もっと縦にチャレンジしろ!」とゲキを飛ばした指揮官は「体格を生かした強さがある。私の期待を裏切っていない。リヨンでの成長を感じる」と賛辞を贈った。

 今春に早大を卒業。ロンドン五輪の舞台に立つためフランス1部の強豪リヨンを進路に選んだが、苦難の連続だった。「言葉が通じず、試合に出られず苦しかった」。2月の日本代表候補合同合宿(和歌山)にB代表扱いのチャレンジ組として参加したが、2~3月のアルガルベ杯(ポルトガル)や4月のキリンチャレンジ杯には招集されなかった。それでも腐らずリヨンで地道に練習に取り組み、欧州女子CLでは決勝に途中出場するなど欧州制覇に貢献した。

 6月5日に届いた代表初招集の吉報を一番喜んでくれたのが、リヨンでポジションを争うスウェーデン代表のエースFWシェリンだった。20日には親善試合で同国と対戦するため、英語で「戦えることを楽しみにしているから」と健闘を誓い合った。遠征中の活躍が五輪メンバー入りに直結する。「(2月の)和歌山合宿の時よりも1対1で前に行く力はついた。五輪でプレーする姿はイメージしている」。なでしこジャパンでも屈指の高さと強さを引っさげてスウェーデンへと乗り込む。 

 ◆大滝 麻未(おおたき・あみ)1989年(平元)7月28日、神奈川県生まれの22歳。平塚市立湊小1年でサッカーを始め、同湊中、鎌倉高時代は近賀、矢野を輩出した横須賀シーガルズでプレー。07年にU―19日本代表。10年に関東大学リーグ得点王。早大4年時は30試合45得点。3月の欧州CL準々決勝で公式戦デビュー。目標とする選手は日本代表FW岡崎。利き足は右。血液型O。1メートル72、59キロ。

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