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ザック「伝家の宝刀」封印 4―2―3―1で戦う

[ 2012年5月30日 06:00 ]

ザッケローニ監督がフィジカルトレーニングする(左から)遠藤、宮市、駒野、本田を見つめる

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(59)が「伝家の宝刀」を封印する。埼玉県内で合宿中の日本代表は29日に非公開で紅白戦を行い、指揮官は4―2―3―1のシステムを貫いた。自らが最も好む3―4―3を一時的に棚上げし、慣れ親しんだシステムで、まずは6月のW杯アジア最終予選3連勝を目指す。

 すでに腹を決めていた。非公開で行われた紅白戦。関係者によると、ザッケローニ監督は自らの代名詞でもある3―4―3システムはテストせず、終始慣れ親しんだ4―2―3―1を採用したという。練習後も「戦術チェック?われわれは戦術に関して基礎となるものはすでに固まっている」と自信満々に語った。

 指揮官は就任以来「試合中に何の障害もなくシステムを替えられること」の必要性を訴え、4―2―3―1に加え3―4―3を事あるごとに反復練習してきた。W杯最終予選でも“秘密兵器”として導入する予定だった。だが、絶対に負けられないホームでの連戦を前に、より確実なシステムで臨むことを決めたようだ。ある主力選手も「今回は3―4―3はやらないと思う」と話した。

 それでも指揮官の自信は揺るがない。6月3日の初戦の相手となるオマーンに関して「得られる情報は全て得たし、われわれは何度もオマーンのVTRを見た」と既に相手を丸裸にしたことを強調。その上で「でも勝負は相手次第ではない。われわれ次第だ」と、勝負の鍵は全て日本代表が握っているとした。

 そのためには一切の妥協も許さない。練習を行っているピッチの芝を、オマーン戦の試合会場の埼玉スタジアムと同じ22ミリに刈り込むことを要求したことも判明した。過去に埼玉スタジアムで行われたW杯予選は9勝1分けと無敗だが、万全を期して本番に備える。「相手をリスペクトするが、どんな敵も私は恐れない」と話すザッケローニ監督が、まずは伝家の宝刀を封印し、一気にブラジル行きの切符を引き寄せる。

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2012年5月30日のニュース