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宇佐美 光明2発…U―23代表“五輪前哨戦”最下位敗退も

[ 2012年5月29日 06:00 ]

<日本・エジプト>後半8分、2点目のゴールを決めるU―23日本代表の宇佐美

トゥーロン国際大会1次リーグA組 U―23日本代表2―3U―23エジプト代表

(5月27日 フランス・ルラバンドゥ)
 U―23日本代表は27日、U―23エジプト代表と対戦し2―3で敗れ、1次リーグ敗退が決定した。前半に2失点し、追いついた後の後半33分にセットプレーから決勝点を許すなど守備面では多くの課題が残る結果となった。その中で宇佐美貴史(20)が2ゴールを決めるなど気を吐き、本大会メンバー入りへ猛アピールした。今夏ホッフェンハイム移籍が決まったアタッカーが一筋の光明となった。

 敗戦の中、宇佐美が輝きを見せた。まずは2点を追う後半開始24秒だ。右サイドのペナルティーエリア手前でボールを受けると迷わず右足を振り抜いた。ボールは低い弾道でゴール左に吸い込まれ、関塚ジャパンでの自身初ゴールが豪快に決まった。「後半すぐに決められたのは大きい」。同8分にはゴール前で鈴木に当たったこぼれ球を押し込んで2点目。その後も東、大津と連係し何度もゴール前に迫った。

 25日のオランダ戦でも得点のチャンスはあったが、「可能性の高い方を」と冷静に指宿のゴールをお膳立てした。関塚ジャパンでの試合出場は昨年3月のウズベキスタン遠征の2試合以来だったが、今大会2試合に出場し計2得点1アシスト。「1年(2カ月)前より、すんなりやれた。前のスペースに抜けたり1年(2カ月)前にやっていなかったプレーを見せられた」と胸を張った。

 もちろん、チームが敗退したため悔しさもある。「自分は(アピールの場なので)あと2試合するつもりでいた。個で打開する場面がもっと多ければ」と下を向いた。

 ただチームが精彩を欠いた分、余計に活躍が目立った。国内組は当たり負けする場面が多かったが、ドイツで鍛えた強さとボディーバランスで難なくはねのけた。攻撃的MFは今大会に出場した東らに未招集の清武が加わって代表を争う見通しだが「五輪は行きたいし、本当に大事な大会」という宇佐美の株が急騰したことは間違いない。

 関塚監督は「得点をとったところ(を評価している)。ゴールへ向かうスピード感は非常に表れていた。守備でもサイドと連係をとっていた」と高評価。突破力と決定力は指揮官の脳裏にくっきりと刻まれたはずだ。

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