岡崎　元清水フィジカルコーチの杉本氏と専属契約

東京・稲城のよみうりランドでの練習を終えた岡崎慎司は笑顔で車に乗り込む

　シュツットガルトの日本代表ＦＷ岡崎慎司（２６）が元清水フィジカルコーチの杉本龍勇氏（４１＝法大経済学部教授）と専属コーチ契約を結んでいたことが１１日、明らかになった。杉本氏は９２年バルセロナ五輪に陸上男子短距離の選手として出場した経験を持ち、清水時代に岡崎を指導。同氏を師と仰ぐ岡崎の強い希望で個人契約が実現した。

　自身２度目となるＷ杯出場に向け、岡崎がさらなる進化を始めた。リーグ戦を終え、１０日に帰国。一夜明けた１１日は休むことなく都内で自主トレーニングを開始したが、その隣には岡崎の一挙手一投足に目を光らせる杉本氏の姿があった。

　「４月から専属契約を結びました。それまでもアドバイスはしていたけど、お互いにプロ。しっかり契約を結ぶことで、気兼ねなくアドバイスできるように、ということです」と杉本氏がその経緯を打ち明ける。

　同氏は０５年に清水のフィジカルコーチに就任。０５年清水入団の岡崎とは“同期”で、努力家ながらなかなか結果が出なかった岡崎を日本代表のエースストライカーにまで育てあげた恩師の一人にあたる。杉本氏が浜松大陸上部監督を兼任していた当時は、岡崎がオフを利用して大学まで出向き理論も勉強。持ち前の研究熱心さで効果的な走り方を身につけたのは今も語り草になっているほどだ。

　そんな岡崎がＷ杯アジア最終予選開幕を６月に控え、さらなる進化のため杉本氏に協力を求めたのは当然の流れだった。この日、岡崎は杉本氏が１０年からスピードコーチを務めるサントリーラグビー部のグラウンドでトレーニング。自分のメニューを終えると、ラグビーボールを使ったウオーミングアップ練習にも飛び入り参加。その後もひたすら練習を見学するなど貪欲な姿勢を見せた。

　岡崎は「ラグビーボールを投げるのは体育でやって以来。難しいですね」と言いながらも「サントリーは日本一だし、僕は日本一になったことがない。刺激になりました」と笑顔。まずは１４日から東京近郊で行われる日本代表欧州組の合同練習そして２３日の親善試合アゼルバイジャン戦で進化を見せつける。　

　◆杉本　龍勇（すぎもと・たつお）１９７０年（昭４５）１１月２５日、静岡県生まれの４１歳。浜松北高３年時の高校総体の１００メートル、２００メートルに大会新で優勝。法大ではインカレの１００メートルで３度優勝。９２年バルセロナ五輪１００メートル、４００メートルリレー（６位入賞）に出場。００年に浜松大陸上部監督就任。０５～１０年にＪ１清水でフィジカルコーチを務めた。法大経済学部教授。１メートル８２、８０キロ。血液型Ｏ。