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ユーベ タイトル剥奪と降格乗り越え“30度目”復権V

[ 2012年5月8日 06:00 ]

歓喜にわくユベントスのGKブッフォン。絶対的守護神としてリーグ制覇に貢献

セリエA ユベントス2-0カリアリ

(5月6日)
 ユベントスが王座奪回を果たした。6日に敵地でカリアリを2―0で下し、インテル・ミラノに敗れた2位ACミランとの勝ち点差が残り1試合で4に拡大。最終節を待たずに9季ぶり28度目の優勝を決めた。不正関与による05、06年の優勝剥奪とセリエB降格を乗り越えて名門が復活。13日のアタランタ戦ではシーズン不敗に挑む。
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 お祭りはロスタイムに始まった。2点をリードし、他会場の2位ACミランが2点ビハインド。優勝を確信したコンテ監督を中心にベンチで抱擁の輪が広がる。終了と同時に興奮した観衆数百人がピッチに乱入。選手、そしてファンにも思いが詰まった優勝となった。

 「6年間たくさん苦しんだけど、待っただけの価値はあった」とGKブッフォンは笑った。06年もピッチで“優勝”を祝った。しかし、シーズン後に問題となった審判の不正操作で05年と併せてタイトル剥奪。降格処分も受け“連覇”達成の黄金世代から大半の主力が去ったが、守護神はFWデルピエロらと残留を決めて苦難を味わった。

 セリエBこそ1年で脱したが、セリエA復帰後は苦戦続き。かつての競争力を失ったチームは勝負どころで勝てず、過去2季は7位に沈んだ。ブッフォンも10年7月に椎間板ヘルニアで手術。限界がささやかれていただけに「W杯優勝以降では最高の瞬間」と喜んだ。

 チームを再建に導いたのがクラブOBで今季就任したコンテ監督。ブッフォンは「成功の秘密は監督の志」と明かす。練習から妥協を許さないハードワークを課し、意識改革も徹底。組織的な守備はリーグ最少19失点と復活を支え、若返りを図るACミランから獲得した32歳の司令塔ピルロが攻撃の幅を広げた。客席とピッチ間が7・5メートルというサッカー専用の新本拠ユベントス・スタジアムも貢献。MFマルキジオは「(サポーターの声が)どれだけ勝ち点をもたらしてくれたか想像もできないよ」と笑う。

 マロッタGMは「われわれには(剥奪分も含めて)30回目の優勝」と強調。リーグ最多優勝クラブのプライドをのぞかせた。13日のアタランタ戦にはシーズン不敗がかかる。「歴史的なことをした。次は不敗で終えたい」とコンテ監督。最終節でさらなる栄誉を狙う。

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