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吉田麻也が五輪オーバーエージ枠に浮上…高さ備えたDF

[ 2012年5月1日 06:00 ]

ロンドン五輪のオーバーエージ枠にリストアップされたVVVフェンロの吉田

 ロンドン五輪に出場するU―23日本代表の関塚隆監督(51)が30日、五輪組み合わせ抽選会や現地視察などを終え、ロンドンから羽田着の航空機で帰国した。今後、五輪本番に向けた本格的なチーム編成に着手するが、複数の日本サッカー協会関係者によれば、オーバーエージ(OA)枠としてVVVフェンロの日本代表DF吉田麻也(23)がリストアップされていることが判明。今後の動向が注目される。

 早朝の羽田空港に降り立った関塚監督は早くも五輪本番を見据えた編成プランを温めていた。複数の関係者によれば、注目のOA枠にVVVフェンロの吉田が浮上した。五輪の1次リーグはスペイン、モロッコ、ホンジュラスと同組で、難敵相手に勝ち抜くためには高さと技術、そして経験を持つDFが不可欠。吉田は最大の“補強ポイント”に申し分ない人材だ。

 選考の実権を握る関塚監督は「五輪に出場経験のある選手」を第1条件に挙げる。吉田は19歳だった08年に北京五輪に抜てきされ、今やA代表でも不動のセンターバック。昨年9月のW杯アジア3次予選の北朝鮮戦ではロスタイムに劇的な決勝ゴールを決めるなど得点力もある。年齢的にも五輪代表に近く、指揮官の理想に合致する。関塚監督は2日のACL・FC東京―ブリスベーン戦から3試合連続でザッケローニ監督と行動をともにして視察を行う。6月から始まるW杯アジア最終予選を戦うA代表との兼ね合いも考慮しながら選考の詰めの作業に入る。

 吉田も五輪には特別な思いがある。現在はクラブが残留争いの渦中とあって、28日のADOデンハーグ戦後も「今はリーグ戦に集中したい」と五輪へのコメントを避けたが、基本的には参加に前向きという。4年前の北京五輪は1次リーグで3戦全敗。しかも出場したのは0―1で敗れたオランダ戦の1試合のみ。五輪には“忘れ物”がある。

 G大阪の遠藤、川崎Fの中村、浦和の槙野もOA枠に名乗りを上げているが、吉田には今の関塚ジャパンにはない高さ、海外経験がある。今夏に移籍の可能性が高く、交渉の状況次第では五輪参加が流動的となることが唯一のネックだが、一方で五輪の舞台に立って活躍すれば、その名は世界に広まる。関塚ジャパンにとっても、この上ない力になる。

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2012年5月1日のニュース