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背水のブラジル指揮官…続投ノルマは五輪金メダル!

[ 2012年4月24日 06:00 ]

ロンドン五輪ブラジル代表の期待を背負うサントス所属のFWネイマール

ブラジル代表 悲願の金メダルへ

 7月25日に開幕するロンドン五輪サッカー競技の組み合わせ抽選が24日午前11時(日本時間同日午後7時)からウェンブリー競技場で行われる。男子で初の金メダルを狙うブラジルのマノ・メネーゼス監督(49)は兼任するA代表の不振で批判され、五輪の結果次第で解任の可能性も浮上。地元開催の14年W杯を控えるサッカー王国の現状に迫った。

 W杯で最多優勝5回を誇るブラジルだが、五輪とは縁が薄い。アマ限定の時代から原則23歳以下で争われるようになった92年以降も含めて最高は銀メダル。年代別の世界大会で唯一優勝がない。メネーゼス監督は「強い自信がある。五輪で優勝を狙えるチーム」と強調するが、強気の発言は自身を苦境に追い込みかねない状況になってきた。

 ブラジル協会のマリン会長は先日、金メダルを逃した場合の監督続投に「未来は神の手にある」と明言を避け、V逸時の解任危機が報じられた。過敏な報道。背景には指揮官への不信感がある。

 昨夏の南米選手権は8強に終わった。W杯開催国で大陸予選の真剣勝負はなく、親善試合で完成度を高めていくしかないが、格下相手に勝つばかりでドイツやフランス、アルゼンチンなど伝統国には敗戦。FIFAランクは6位にとどまり、元代表FWロマーリオ氏は「W杯がきょう開幕なら1次リーグ敗退」。王様ペレ氏も「現在のチームにはスタイルがない」と指揮官のマネジメント能力に疑問を投げかけた。

 五輪世代にはA代表でも主軸と期待されるFWネイマールとMFガンソらA代表経験済みのタレントがそろう。候補選手52人にはACミランのDFチアゴ・シウバら強力なオーバーエージ(24歳以上)枠も含まれ、ブックメーカー「ウィリアムヒル社」の優勝オッズは2・87倍の1番人気。マリン会長は「必要な環境は整える」と支援強化へブラジル・オリンピック委員会と協議に入った。5月下旬から米国で行う国際Aマッチ3試合は五輪組が軸。準備が整う一方で反動も懸念される。

 「就任時に身分保障は求めなかった。(結果を残せなければ)どうなるか分かる程度の経験はある」とメネーゼス監督。五輪次第でW杯への強化態勢が抜本的な見直しを迫られる可能性もある。

 ▽五輪メモ 男子は16チームが1次リーグで4組に分かれて総当たりのリーグ戦を行い、各組上位2チームが準々決勝に進出。原則23歳以下で行われ、各チームは最大3人のオーバーエージ枠が使える。出場資格に年齢制限がない女子は12チームが1次リーグで3組に分かれ、各組上位2チームと各組3位の中で成績上位の2チームが準々決勝に進む。

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