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沢、新戦力台頭で五輪危機感「18人に残るのは厳しい」

[ 2012年4月17日 06:00 ]

イベントで五輪の人気競技予想を沢が的中させ、北島が驚く

 INAC神戸のサッカー女子日本代表MF沢穂希(33)が、ロンドン五輪代表入りへの危機感を示した。16日に都内で行われた日本コカ・コーラ「アクエリアス」のイベントに、競泳日本代表の北島康介(29)とともに出席。良性発作性頭位めまい症で離脱中に新戦力が台頭してきたことを受け、五輪メンバー18人に選出されることは簡単ではないことを強調。リーグ戦で結果を出すことが、五輪切符獲得への条件となると力説した。

 “クイーン”の全身からは完全にオーラが消えていた。101日後に迫った五輪に向け、北島と健闘を誓い合った沢から発せられたのは、悲壮感漂うコメントだった。「最終メンバーの18人に残るのは厳しいので、私にはできる、絶対に残ってみせる、という気持ちで練習やリーグ戦で頑張りたい」。93年の初代表以降、20年間も日本のエースとして君臨。11年のFIFA年間最優秀選手に選出された実力をしても、現代表の勢い、層の厚さを考えればウカウカしていられないのが現状だ。

 2月27日に良性発作性頭位めまい症を発症。沢は1カ月以上も離脱を余儀なくされたが、その間もなでしこジャパンは快進撃を続けた。3月5日のアルガルベ杯でFIFAランク1位の米国から初勝利(記録上引き分け扱いとなるPK勝ちは除く)を挙げ、4月には米国、ブラジルとの総当たりで行われたキリンチャレンジ杯を制覇。新主将の宮間がチームをまとめ、沢不在のボランチの位置では田中(INAC神戸)、宇津木(モンペリエ)らが台頭した。

 前日のリーグ開幕戦。7点を奪ったチームの快勝劇を沢はベンチから見守った。早ければ22日の福岡AN戦で公式戦復帰する見通しだが、焦る気持ちは抑えきれない。「サッカーができない状態が続いていて、サッカーができることが今は当たり前ではないので幸せだなあと思う。体調は普通。今はベストな状態になるようにトレーニングしている」と必死に前を向いた。半年前は、五輪代表に残ることが悲願の金メダル獲得への第一関門となることは思ってもいなかった。激しく打ち寄せる世代交代の荒波の前で、女子サッカー界のパイオニアが背水の陣を敷いている。

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2012年4月17日のニュース